第14回 土居健郎:『「甘え」の構造』/『続「甘え」の構造』

発達科学の先人たち
第14回 土居健郎:『「甘え」の構造』/『続「甘え」の構造』

齋藤高雅

土居健郎

1.土居健郎とその時代
2.『「甘え」の構造』を読む−「甘え」理論の深化と発展
3.「甘え」理論について考える
4.人間理解の方法:人間理解の方法としての面接
5.終わりに

1.土居健郎とその時代

1920年(大正9年)東京都生まれ。
1939年東京帝国大学医学部入学
1946年聖路加国際病院内科勤務。26歳。
1950年から2年間、米国メニンガー精神医学校留学。
1955年米国サンフランシスコ精神分析協会へ再び留学、教育分析を受けるが挫折し、帰国。
1956年聖路加国際病院精神科に復帰
1971年『「甘え」の構造』発刊
2001年『続「甘え」の構造』発刊
2009年逝去89歳。

2.『「甘え」の構造』を読む−「甘え」理論の深化と発展

『「甘え」の構造』 弘文堂、1971。

「甘え」今昔
第一章 「甘え」の思想
第二章 「甘え」の世界
第三章 「甘え」の論理
第四章 「甘え」の病理
第五章 「甘え」と現代社会
【付】「甘え」再考
【付】刊行二十周年に際して

3.「甘え」理論について考える

「自分」の意識について
「自分」の意識の発生に「甘え」が主要な役割
「「甘えたい心」を十分自覚しながら、なおかつ甘えることに没することができないと悟った時に、初めて「自分」の意識は芽生えるのである」という。
集団の関係でいえば
「集団所属によって否定されることのない自己の独立を保持できる時に「自分がある」といわれる」と述べる。

フロイトのいう「自我」意識との対比

4.人間理解の方法:人間理解の方法としての面接
・人間理解の方法「わかる」「わからない」

5.終わりに
「おまえは、どう感じ、どう行動したか、自分の言葉で語れ」とよく言われた。
というのが、印象的でした。


発達科学の先人たち
目次
1 発達科学と先人の足跡
2 アリストテレス:『心とは何か』
3 貝原益軒:『和俗童子訓』
4 ダーウィン:『人及び動物の表情について』
5 ヴント:『民族心理学』
6 デュルケム:『道徳教育論』
7 シュタイナー:『子どもの教育』/『教育術』
8 モンテッソーリ:『子どもの発見』
9 バートレット:『想起の心理学』
10 ピアジェ:『思考の心理学』
11 ハーロウ:『愛のなりたち』
12 アリエス:『〈子供〉の誕生 アンシァン・レジーム期の子供と家族生活』
13 清水義弘:『試験』
14 土居健郎:『「甘え」の構造』/『続「甘え」の構造』
15 先人たちと現代社会

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