第7回 統計的仮説検定①

統計的仮説検定の考え方を理解し、例として2つの母数の差についての検定について理解する。

【講師】秋光淳生(放送大学准教授)
【キーワード】帰無仮説、有意水準、2標本の母数の検定


7-1

 

100人にある検査を行ったところ、陽性と判断された人は80人、陰性と判定された人は20人だった。陽性と判定された人のうちの70人は実際に陽性だった。また、陰性と判定された人のうちの5人は実際には陽性だった。このとき、正解率として一番近いものは次のうちのどれか。

 

正しく判定されたのは85人なので、正解率は0.85 です。
適合率は 70/80=0.875、再現率は 70/75=0.9333 となります。
正答: 0.85

 

100人にある検査を行ったところ、陽性と判断された人は80人、陰性と判定された人は20人だった。陽性と判定された人うちの70人は実際に陽性だった。また、陰性と判定された人のうち5人は実際には陽性だった。このとき、F値として一番近いものは次のうちのどれか。

 

F値は 70/(70+(10+5)/2)=0.9032..と計算されます。
正答: 0.9032 

統計的仮説検定を行う場合には、自分が述べたい事柄を直接示すのではなく否定されることを前提にした仮説を立て、その仮説のもとで事象の起こる確率を計算する。その仮説を正しくないと判断することで実際に示したい説が成立しているという手順で行う。

この否定されることを前提にした仮説のことを( ア )仮説という。( ア )仮説は、自分が定める基準の確率よりも小さい場合に、仮説を正しくないと判断する。この基準を( イ )水準という。

 

「もうそうでないとしたらどれくらいの確率で起こる事象なのか」ということを考えます。これを帰無仮説と言います。棄却するために定める確率が有意水準ということになります。

正答: ア 帰無  イ 有意
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