第2回 精神疾患の診断と診断基準

第2回 精神疾患の診断と診断基準

精神疾患の診断の手順と、その際に用いられる診断基準について、今日の代表的な操作的診断基準であるDSMとICDを中心に学ぶ。診断は一方的に宣告するものではなく、SDMの考え方に従って共有すべきものであることを理解する。
【キーワード】
操作的診断基準、DSM、ICD、外因・心因・内因、SDM


1.診断と診断基準

(1)診断と診断基準
(2)操作的診断〜DSMとICD
(3)操作的診断基準の長所と短所

2.精神疾患の原因について

(1)精神疾患と原因論
(2)伝統的分類〜外因・内因・心因

3.診断をめぐるさまざまな問題

(1)「疾患」と「傷害」
(2)あらためて診断とは何か、何のために必要か?


1.診断と診断基準

(1)診断と診断基準

精神疾患では、心の働きやその表現は文化的背景に伴って多彩であり、正常と異常の弁別に関してもかなりバラツキがある。

(2)操作的診断〜DSMとICD

操作的:operational・・・・明確で具体的な項目によって疾患を定義し、診断の客観性を高めようとする考え方

DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disoders)精神疾患の診断・統計マニュアル

ICD(International Classification of Diseases)国際疾患分類

(3)操作的診断基準の長所と短所

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)心的外傷後ストレス障害

2.精神疾患の原因について

(1)精神疾患と原因論

先天的要因:ハンチントン病・・・・・常染色体優性遺伝 型式を示す遺伝性の 神経変性 疾患で、 舞踏運動 などの 不随意運動 、精神症状、行動異常、認知障害などを臨床像の特徴とします。 これらの症状はいつのまにか始まり、ゆっくり進行します。 舞踏運動というのは、体が自分の意志がないのに動いてしまう運動の一つを指します。「好きな人とずっと長い時間、手をつなぎながら」難病「ハンチントン病」に向き合った夫婦の15年

後天的要因:PTSDPost Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。

(2)伝統的分類〜外因・内因・心因

エミール・クレペリン(Emil Kraepelin [ˈeːmiːl ‘kʁɛːpəliːn]1856年2月15日 – 1926年10月7日)は、ドイツ医学者精神科医。ドルパート大学(現・エストニア国立タルトゥ大学)、ハイデルベルク大学ミュンヘン大学の教授を歴任。

今日では職場などでの過剰なストレスが背景となって心が折れる・・・・内因性疾患

血管性うつ病・・・・・外因性疾患

3.診断をめぐるさまざまな問題

(1)「疾患」と「傷害」

(2)あらためて診断とは何か、何のために必要か?

パターナリズム(父権主義):

インフォームド・コンセント(informed consent):「十分な情報を伝えられた上での同意」

SDM(shared decision making)共同意思決定(協働意思決定と書く例もある)

精神疾患の診断はスティグマ付与につながる危険を常にはらんでいる。

 

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