第14回 動機づけと自己制御

第14回 動機づけと自己制御
(1)動機づけに関するケラーのARCSモデルについて理解する。
(2)自己制御について理解する。
(3)インストラクショナル・デザインの位置づけについて理解する。
【キーワード】
動機づけ、ケラー、ARCSモデル、インストラクショナル・デザイン、自己調整学習、学習方略、eラーニング、社会関係資本


1.動機づけ

ケラー、ARCSモデル アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラー(John M.Keller)が提唱している「A R C S 動機づけモデル」

遠近法主義者 perspectivalist あらゆる認識は認識する主体のパースペクティブに制約されているという哲学的な立場のことである。

(1)注意

定位反射、刺激追求

注意(Attention) おもしろそうだな
ヤーキス・ドッドソンの法則
逆U字曲線で示される覚醒理論
バーラインの知的好奇心の理論
フロムやユングの退屈に関する理論

(2)関連性

関連性(Relevance)やりがいがありそうだな
ジェ─ムズやマクドゥーガルの本能についての理論
トルーマンの目的的行動についての理論
レビンの場の理論
マズローの欲求の階層構造についての理論
マクレランドの達成・親和・権力についての理論
デシによる内発的動機づけの理論
チクセントミハイリによるフローの考え方

(3)自信

自信(Confidence)やればできそうだな
ロッターの統制の位置の理論
ド・シャームの指し手とコマ理論あるいは自己決定感の理論
バンデューラの自己効力感の理論
ワイナーによる原因帰属理論
セリグマンによる学習された無力感と学習された楽観主義の考え方
ローゼンサールの自己達成予言の考え方

(4)満足感

満足感(Satisfaction) やってよかったな
行動主義に基づく条件づけの理論(古典的条件づけ、オペラント条件づけ、トークンエコノミーの理論)
外発的動機づけ
フェスティンがーの認知的不協和理論
ハイダーのバランス理論
アダムスの公平理論

2.インストラクショナル・デザイン

「学習科学」、instruction(教授、教示)

3.自己調整学習

メタ認知とは、

・自分の認知を把握し(セルフ・モニタリング)

・自分の認知を制御する(セルフ・コントロール)

ジマーマン・シャンク(Barry Zimmerman)、自己調整学習の理論

[ジマーマン・シャンク](2006)は、[自己調整学習の理論]として7つをあげている
1. [オペラント]
動機づけ: [強化]する[刺激]の強調
自己覚知: [自己反応]以外は認めない
基本的過程: [セルフ・モニタリング], [自己教示], [自己評価]
社会的、物理的環境: [モデリング]と[強化]
獲得する能力: 行動形式と付加刺激のフェーディング
2. [現象学]
動機づけ: [自己実現]の強調
自己覚知: [自己概念]の役割重視
基本的過程: [自己価値]と[自己アイデンティティ]
社会的、物理的環境: [環境]の[主観的認知]の強調
獲得する能力: [自己システム]の発達
3. [情報処理]
動機づけ: 動機づけはこれまで強調されていない
自己覚知: [認知的セルフモニタリング]
基本的過程: 情報の[貯蔵]と[変換]
社会的、物理的環境: 情報への変換以外は強調されず
獲得する能力: 情報変換システム能力の増大
4. [社会的認知]
動機づけ: [自己効力]、[結果期待]と[目標]が[期待]される
自己覚知: [自己観察]、[自己記録]
基本的過程: [自己観察]、[自己判断]、[自己反応]
社会的、物理的環境: [動作的熟達経験]
獲得する能力: 4つの連続するレベルの[社会的学習]を経て増加
5. [意思]
動機づけ: [期待]と[価値]に基づく意思の前提条件
自己覚知: [制御]された状態よりも制御された行為
基本的過程: 制御する方略、[認知]、[動機づけ]、[情動]
社会的、物理的環境: 妨害する環境を制御する意思的方略
獲得する能力: 意思的制御方略を使う獲得された能力
6. [ヴィゴツキー派]
動機づけ: [社会的文脈]以外ではこれまで強調されず
自己覚知: [発達の最近接領域]の学習を意識
基本的過程: [自己中心的言語]と[内言]
社会的、物理的環境: 大人との対話が子どもの言語の内化を媒介する
獲得する能力: 子どもは一連の[発達]レベルの中で[言語の内的使用]を獲得する
7. [構成主義]
動機づけ: [認知的葛藤解決]や[好奇動因]が強調される
自己覚知: [メタ認知モニタリング]
基本的過程: [スキーマ]、[方略]あるいは[個人的理論]の構成
社会的、物理的環境: これまでは、[社会的葛藤]や[発見学習]を強調
獲得する能力: 発達が子供の自己調整過程を[制約]する

4.eラーニングをめぐって

 

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