筋トレとウォーキング、やせるのはどっち

どうすると、体を上手に軽量化できるでしょう。「消費カロリーを増やすと痩せる」という人がいます。これは正しいのでしょうか?

ごろごろ寝ているときの消費カロリーは1時間で60キロカロリー。てくてく散歩しているときは3倍の180キロカロリー。どちらが痩せるでしょうか。答えは散歩です。みなさん、正解です。

では、息をこらえてがんばって筋トレをすると、散歩の倍の360キロカロリーも消費できます。筋トレと散歩、痩せるのはどちらでしょう。答えは、散歩です。

消費カロリーは少ないのに、どうしてでしょう。

今、ヒントをいいました。息をこらえた運動は「無酸素運動」。このときに燃焼するのは筋肉中のグリコーゲンという糖質です。糖質モードのときにミトコンドリアは働かず、脂肪は燃焼しないので痩せないのです。

これに対して、心拍数と息が上がらない散歩は「有酸素運動」。酸素と一緒に脂肪を燃焼するミトコンドリアモードなので、脂肪を減らせるのです。

ジョギングしているスポーティなアジア人

写真=iStock.com/itakayuki
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体表のアウターマッスルは「白筋」ともいい、糖質モードで瞬発的な運動をします。反応が速いので「速筋」ともいいます。

体幹のインナーマッスルは「赤筋」ともいい、ミトコンドリアモードです。ミトコンドリアモードは脂肪燃焼の反応が起こるまでに時間がかかるので「遅筋」と呼びます。

短距離走は糖質モードなので、ムキムキの筋肉質の体が有利です。一方、ミトコンドリアモードは体幹のインナーマッスルを動かします。ですから散歩をしても、体表のアウターマッスルはムキムキになりません。むしろ、手足はヒョロッと細くなります。

しかし、体幹が鍛えられるので、健康的に若々しく生きていくには有利です。体の軽量化にもなります。つまり、ミトコンドリアモードにするために最高の運動は、「歩く」ことなのです。