第11回 人格の測定

感情・人格心理学(’21)

Psychology of Emotion and Personality (’21)

主任講師名:大山 泰宏(放送大学教授)、佐々木 玲仁(九州大学大学院准教授)

【講義概要】
本講義では感情心理学および人格心理学について論ずる。ここで取り扱う感情とは「そのときどきの気持ち」のことであり、人格とは「それぞれの人がら」のことである。これらのことについて、どのような概念なのか、あるいはどのように測定するのか、そしてどのように発達していくのかなどについてそれぞれの観点から述べる。また、感情については、その種類や表し方、記憶との関連など、人格については、それをどのように記述するのか、環境との関連、心理療法との関連など、様々なテーマで論じていく。また、感情と人格の繋がりや日常生活との関連についても取り扱う。

【授業の目標】
感情および人格という日常でも出会う概念について、心理学上の様々な論点から考察できるようになること、また、学術的な理解を得るだけでなく、その理解が日常生活とどのような繋がりがあるのかかについての知見を得ることを目標とする。

【履修上の留意点】
人間に対する率直な知的好奇心があれば、予備知識等は特に必要としない。

第11回 人格の測定

感情と同様、人格もそれを学術的に論じるには何らかの意味で測定を行わなければならない。その具体的な方法について、心理アセスメント法の文脈から具体的な技法に触れつつ論じる。

【キーワード】
質問紙法、投映法、測定可能性


問題 5 質問紙法についての記述のうち,次の①~④の中から適切でないものを一つ選びなさい。

① 質問紙法は被験者の意識的な側面を探るのには適しておらず,むしろ被験者が意識していない側面について知るために適した方法である。 正解です。
② 質問紙法は数量化して用いるために結果の読み取りが比較的容易である。
③ 質問紙法はその性質上,多数の被験者に対して施行することが可能である。
④ 質問紙法で現在主流を成しているものの因子数は 5 因子である。

フィードバック 正解は①です。

【解説/コメント】

①質問紙法は言語によって質問し,被験者が自分自身のことを考えた上で回答するものであるから,意識的な側面について知るために適した方法である。

②③④適切な記述である。

 


問題 6 投映法についての記述のうち,次の①~④の中から適切でないものを一つ選びなさい。

① 投映法の難点は,その解釈法の習得が困難であることである。
② 投映法の代表的な技法はロールシャッハテスト,文章完成法である。
③ 投映法において被験者が意識的に回答を偽ることは困難である。
④ 投映法では呈示される刺激はそれが何を意味するか被験者がわかりやすいように注意しなければならない。 正解です。

フィードバック 正解は④です。

【解説/コメント】

①②③適切な記述である。

投映法は曖昧な刺激を呈示して被験者がそれが何かを特定できないような状況をつくり出し,それをどう理解するかについて探ることで被験者の人格の特徴を知ろうとするものである。選択肢の文とは逆に,刺激はある程度わかりにくいようなものである必要がある。

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