第11回 医療場面のアセスメント

心理的アセスメント(’20)
Psychological Assessment (’20)

主任講師名:森田 美弥子(中部大学教授)、永田 雅子(名古屋大学教授)

【講義概要】
心理的アセスメントとは何をすることなのか? 心理的支援実践においてアセスメントは必須の行為である。クライエントがどういう人であるのか、どのような問題を抱えているのか、といったことを把握しないことには支援の方針計画をたてようがない。では、具体的にどのような方法があるのか、そこで何に留意するとよいのか概説する。

【授業の目標】
本講義を通じて、心理支援における心理的アセスメントの基礎知識を得ることを目標とする。

第11回 医療場面のアセスメント

病院やクリニック等におけるアセスメントの内容、対象、留意点などについて紹介する。特に病理水準の見立てという視点から説明を加える。

【キーワード】
病院、病理水準の見立て


はじめに
医療
(1) その場とそこに仕える者
(2) 医療の文化
(3) 診療報酬
アセスメントの風景
(1) 外来における検査事例:酒井さん
(2) 事例の解説
(3) 入院と心理療法でのアセスメント
病態水準論
(1) 病態水準論とは
(2) 各圏の特徴
(3) 見立ての留意点
(4) 解離・自閉スペクトラム症・認知症
さいごに


狐憑き(きつねつき)は、の霊に取り憑かれたと言われる人の精神の錯乱した状態であり、臨床人狼の症状の一種である。 また、そのような精神状態にある人、そのような事が起こり得ると信じる信仰、迷信をもいう。

神経衰弱 ① 神経症の一種。 身体、精神の過労、ことに不快情緒を伴う時に見られる症候群。 神経質素質を有する人に多い。 症状としては内的・外的刺激に対して過敏に反応し、疲労感、不眠、めまい、手指のふるえ、衰弱感などを誇張して詳細に訴える。

ヒステリー 解離性障害(ヒステリー神経症この障害は、何らかの精神、身体的機能が意識から解離して意思によるコントロールが失われた状態です。 従来はヒステリーと呼ばれていました。 一般的に、背後には解決困難な問題や対人関係の葛藤など心理的原因が認められます。 しかし本人はそれを否認する傾向があります。

組織や細胞が、もとの形態にもどらないような変化が起こることをいい、このようになった病気を器質的疾患といいます。脳組織の器質的な異常が原因で、精神のはたらきにいろいろな障害が出てくるものを、脳器質性精神障害といいます。 記憶障害や見当識障害など認知面にあらわれる症状とともに幻覚、妄想、興奮などの症状もよくみられます。 – 時事メディカル

組織や細胞が、もとの形態にもどらないような変化が起こることをいい、このようになった病気を器質的疾患といいます。

見当識は、時・場所・人から構成されており、アルツハイマー型認知症になると、時(年月日→季節)→場所→人(自分→他人)の順に障害され、混乱がみられるようになります。

見当識は記憶、視覚認知などの認知機能と関係しています。


次の①~④の文章のうちから,誤っているものを一つ選べ。

診療報酬とは,医療機関が行った保健医療サービスの公定価格のことである。

② 医療場面における心理検査の解釈では,カルテなどの他の情報を参考にしない方がよい。

③ 医療現場で働くうえで,医学領域の知識は重要である。

病態水準論は,今日の精神医学診断基準とは異なる特徴をもつ。

フィードバック
正解は②です。

【解説/コメント】

心理アセスメント技法の中でも診療報酬の対象とはならない技法があります。医療の文化や制度には目を向けておきましょう。

②これが「誤っているもの」です。心理検査の結果は,他の情報と総合して解釈する必要があります。

③勤める診療科について知識を深めることは,クライエントの理解・支援に必要です。スタッフとの連携においても必要なことです。

④精神医学の診断基準とは異なる特徴をもつために,心理職は専門性をより発揮できるともいえます。

印刷教材の第 11 章を参照して,理解を深めてください。

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