植物とは、本来獰猛なものだ

植物とは、本来獰猛なものだ。池之端の叔母さんのうちでは、ベランダの植物が壮絶な生存競争を繰り広げている。へちまや朝顔だけでなく、そこには、昆虫や鳥も参戦し、日々K-1並みのバトルが開催されている。

けれど、あの時の幻の中の植物は、へちまなのか朝顔なのかは分からなかった。あたしは花が咲かないと、その植物が何なのか見分けることができない。葉っぱの形とか、模様を見れば分かるでしょ、と叔母さんが言うのだが、花が咲いてみないと分からない方が普通だと思う。

とにかく、それらは音もなくそこここから生えてきて、壁を覆い、柱に巻きつき、校歌の伴奏をしているピアノの蓋を押し上げ、みるみるうちに講堂全体を締め付けていった。

ぎしぎしと、建物が悲鳴を上け゛る音を聞いたような気がした。

ああ、緑に呑まれる。

失われた地図 (角川文庫)

罠、兵糧攻め、自爆…いまこの瞬間も続く植物の「戦争」をご存じか 

植物たちの戦争 病原体との5億年サバイバルレース (ブルーバックス)

陸上植物がこの世に誕生してから約5億年。植物と、目に見えない生態系の「世界の真の覇者」たる微生物は生き残りをかけた闘いを続けてきた。攻撃に対して無力にもみえる植物だが、進化を通じて獲得した「化学兵器」や「免疫機構」によって容赦なく襲いかかる病原体の攻撃をしのいできた。「動けない植物」たちが、進化することで生み出した驚きの防御機構とは…分子の世界で繰り広げられる植物と病原微生物との「死闘」。

触っただけで死に至る?世界の超危険な植物9選
誤飲・誤食による内服に限らず、触れるだけで被害を受ける植物も存在するようです。

植物の私生活
植物の私生活
がんばる、耐える、だます、盗む、殺す…。熱帯雨林から極地まで、地球のさまざまな環境に生きる植物たちの驚異のドラマ。

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