第8回 児童期の発達:認知発達と学校教育
第8回 児童期の発達:認知発達と学校教育
児童期には、書き言葉の習得が始まり、論理的思考力が高まる。学習内容も徐々に難しくなるが、動機づけのあり方が学習に影響を及ぼす。児童期の認知発達と学びについて概説する。
【キーワード】
一次的ことば/二次的ことば、ワーキングメモリ、メタ認知、9歳の壁(10歳の壁)、領域固有性/領域一般性、動機づけ、学校教育
1.基礎学力の習得
(1)読み書きと計算
表現的規則の理解
対応規則の理解
(2)一次的ことばと二次的ことば
一次的ことば 親しい人との直接対話の中で伝わるような話し言葉
二次的ことば 不特定多数のひとでもわかるような、話し言葉や書き言葉
(3)具体的操作期
保存課題が出来るようになる。
一次的信念の理解 誤信念課題の理解
二次的信念の理解
三つ山問題
2.学習方略と思考の発達
(1)ワーキングメモリとメタ認知の発達
数十秒以内保持される記憶を短期記憶
ワーキングメモリ 認知的な処理を併行して行う短期的な記憶活動
メタ認知 自己の認知活動に対する認知や知識のこと
リハーサル、精緻化、体制化
(2)9歳のの壁(10歳のの壁)
(3)領域一般性と領域固有性
3.動機付けと学校教育
(1)学習意欲
(2)学校における学習形態
ジグソー学習法
(3)集団で学習することの意義
観察学習 他者の言動を観察してそれを真似て学習する
代理強化 自ら体験しなくても、技能や方略、社会的行動等を学習しうる
低学年で作文が書けるように指導されたが、作文はあまり好きではなく不得意でした。話すことでも発表や話し合いも好きではないので、皆に伝わるような話し方が出来なかったのが、50歳を過ぎても続いていると思っています。それが、低学年のうちにある程度可能になることが期待されていたとは、避けて生きてきたので、応えられていない。
小さいうちの学習の内容は、生涯を通じてつづいてしまうのだろうか、これからでも変わることができるのだろうか。
話し合い経験を積み重ねることで、有用な話し合いができるようになると、新たな視点からの見方や考え方、学習内容そのものへの理解が深まることを願う。