第7回 不安障害と強迫性障害
第7回 不安障害と強迫性障害
以前は神経症と呼ばれていた多彩な疾患群は、不安や恐怖を中心的なテーマとするものである。その中から不安障害(パニック障害、全般性不安障害)と強迫性障害をとりあげ、概念・症状・経過・治療について学ぶ。
【キーワード】
不安、恐怖、神経症、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害
1.不安の役割と病理
(1)不安とその意義
獰猛(どうもう)な野生動物に出くわす恐怖
不安は、生理的現象であるとともに、学習によって形成される心理的社会現象でもあって、そこに時代や文化の影響が反映される。
(2)不安の病理と神経症
ノイローゼ(neurosis):神経症:比較的軽症の疾患の総称。心理的な原因によって発症する心因性疾患
「精神病」という概念(psychosis):幻想妄想など思い症状を示す精神疾患
2.不安・恐怖を主症状とする疾患
(1)恐怖症(phobia)
a.限局性恐怖症(specific phobia)
系統的脱感作法などの認知行動療法:1950年代にジョセフ・ウォルピが開発した技法で、恐怖症や不安障害に適用されている技法。 不安や恐怖を喚起する場面、例えば電車に乗ると不安感じるといったことをいくつか挙げて、最も不安を感じる出来事から、弱い物までの階層表を作る。
b.社交恐怖(social phobia)/社交不安障害
回避性パーソナリティ障害、対人恐怖
c.広場恐怖(agoraphobia)
(2)パニック障害(panic disorder)
狼狽(ろうばい)しているパニック障害
不安の原因を詮索(せんさく)するよりも
(3)全般性不安障害(generalized anxiety disorder)
慢性型
3.強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)
脅迫観念(obsession)と脅迫行為(compulsion)