第6回 自己概念と自尊感情
第6回 自己概念と自尊感情
「自己」は社会心理学において、重要なトピックである。それは、私たちは、自己というフィルターを通して社会環境を見ているからである。すなわち、私たちが社会をどのように認識するかは、認知の主体である自己がどのように構成され、またどのような動機を持っているかに依存している。自己概念と自己評価という、自己の2つの側面に焦点をあてながら、自己について考えていく。
【キーワード】
自己概念、社会的アイデンティティ、自己スキーマ、自尊感情、社会的比較、自己評価維持モデル
1.社会心理学における自己
自己概念
自己の認知的側面(知識、信念、定義など)
自己知識、アイデンティティともいう
測定法:20答法など
自己知識、アイデンティティともいう
測定法:20答法など
自尊感情
自己の感情・評価的側面(受容、好意、敬意など)
自己評価ともいう
測定法:ローゼンバーグの自尊感情尺度
自己評価ともいう
測定法:ローゼンバーグの自尊感情尺度
2.自己概念
3.自尊感情
社会的比較
他者(自分と類似した他者)と自己の比較
→上方比較:自分より望ましい状態にある他者との比較
→下方比較:自分より望ましくない状態にある他者との比較
→上方比較:自分より望ましい状態にある他者との比較
→下方比較:自分より望ましくない状態にある他者との比較
継時的比較
過去の自己と現在の自己との比較
ポジティブ・イリュージョン(Taylor,1989)
■自分や自分に関係する事象の意味を、現実より楽観的に、自分にとって都合がよい方向に歪めて考える傾向
→自分のイメージ(例:平均以上効果)
→外界の出来事に対する自己のコントロール能力(例:コントロールの錯覚)
→自己の将来(例:楽観性のバイアス)