第4回 年代決定論② -絶対年代-

第4回 年代決定論②-絶対年代-

1 被熱した年代を測定する方法
2 炭素14年代と年輪年代
3 高精度年代網の構築

【キーワード】
相対年代、絶対年代、編年、実年代、暦年代、炭素14年代法、年輪年代法、較正年代、較正曲線、交差年代法、ウィグルマッチング法


数値年代の種類
  • 遺跡や遺物の年代を自然科学的に求める二つの方法かつての絶対年代
  • 放射性元素に注目
  • 年輪を手がかり
  • これまでに個別に行われてきた数値年代と考古学との学際研究について講義

1.はじめに

どの測定法を選ぶ?
  • 何を測るのか

  • 制度はどれくらいか?

  • ※最適な方法を選ぶ必要あり

物質的な性質を利用する方法

放射線元素に注目して年代を調べる方法

樹木年輪を手がかりとする方法

2.被熱した年代を測定する方法

(1)残留する地磁気を利用する方法

熱残留磁気分析法(Thermoremanent magnetization Method,TRM))

考古地磁気法(Archaeological Method)

地磁気の3要素ちじきのさんようそ(three components of geomagnetic field):地磁気と地磁気の3要素を語る。


磁石の北と地磁気極と磁極

(2)熱やレーザー光による発光現象を利用する方法

焼石や土が熱を受けてから周囲の自然放射線の影響を何年受けてきたかを測る方法である。

熱ルネッサンス(Thermoluminescence)

(3)フィッショントラック年代測定法(Fission-track Dating)

土器やガラス、火山灰中の鉱物に含まれるウラン238の自然核分裂によって生じる傷跡(FT:フィッショントラック)の蓄積量の年代を推量する測定法。

3.炭素14年代と年輪年代

(1)炭素14年代法(Radiocarbon Dating)

放射性の炭素同位体を利用して考古・歴史資料の年代を決定する方法である。

ベータ線計数法(Radiocarbon Dating[B-counting Method])

加速器質量分析法(Radiocarbon Dating[Accelerating Mass Spectrometry])
東京大学総合研究博物館タンデム加速器分析室
較正曲線、較正年代(calibrared age)

古木効果、海洋リザーバー効果

(2)年輪年代法(Dendrochronology)

温帯に生息している樹木の年輪を使った年代法のこと。

(3)酸素同位体比年輪年代法(Oxygen Isotope Dendrochronology)

4.高精度年代網の構築

(1)日本版較正曲線

IntCal(イントカル):北半球における世界標準の較正曲線として使われている。

(2)土器型式を用いたウィグルマッチ法

ウィグルマッチ法とは、本来、年輪年代の分からない木材資料の年代を調べる方法である。

(3)型式間境界と存続幅の算出

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