第3回 感情を表す
感情・人格心理学(’21)
Psychology of Emotion and Personality (’21)
主任講師名:大山 泰宏(放送大学教授)、佐々木 玲仁(九州大学大学院准教授)
【講義概要】
本講義では感情心理学および人格心理学について論ずる。ここで取り扱う感情とは「そのときどきの気持ち」のことであり、人格とは「それぞれの人がら」のことである。これらのことについて、どのような概念なのか、あるいはどのように測定するのか、そしてどのように発達していくのかなどについてそれぞれの観点から述べる。また、感情については、その種類や表し方、記憶との関連など、人格については、それをどのように記述するのか、環境との関連、心理療法との関連など、様々なテーマで論じていく。また、感情と人格の繋がりや日常生活との関連についても取り扱う。
【授業の目標】
感情および人格という日常でも出会う概念について、心理学上の様々な論点から考察できるようになること、また、学術的な理解を得るだけでなく、その理解が日常生活とどのような繋がりがあるのかかについての知見を得ることを目標とする。
第3回 感情を表す
感情が人に伝わるとき、その主要なルートの一つは顔の表情である。この表情について、それをどう分類し、どのように扱うのかについて論じる。また、顔の表情に留まらず、さまざまな形の感情の伝達ルートについて論じていく。
【キーワード】
表情、観察可能性、身体動作、文脈
「人の感情が他の人に与える影響」
1.観察可能なものとしての表情
感情がなければ表情は生まれないだろうか
・表情を作ったことで感情が喚起されること
特に感情が生じていなくとも表情を意図的に作ることであとから感情が生まれるということがあるのではないだろうか
・演技(職業的な俳優が人に見せるために行うもの)
俳優の表情は俳優の内面の表現であるとは限らない、スタニスラフスキー・システムでも、現代口語演劇理論でも。
・演技(人が日常的に行うもの)
2.表情のカテゴリー化 分割と文脈
3.表情についての研究
「基本的情動理論」喜び、怒り、恐れ、悲しみなどの特定の感情が、それ以上分割できない情動の基本的な単位として、生体に生得的に備わっている、という考え方です。
「構成要素的アプローチ」
「次元論」