第13回 危機介入と心の健康教育

心理カウンセリング序説(’21)

-心理学的支援法-

Introduction to Psychological Counseling (’21)

主任講師名:大山 泰宏(放送大学教授)

【講義概要】
この授業では、臨床心理学におけるカウンセリング、心理療法を中心とした、心理学的な相談・支援に関する基礎とその展開について講じる。対象者に対する心理学的な支援の中核にはカウンセリングがありつつも、それは、支援の形や対象となる領域によって、さまざまな展開をみせている。そこでは、どのような専門性が求められ、どのような学びをおこなっていけばいいのだろうか。こうしたテーマについて包括的に論じる。
なお本科目は,公認心理師学部カリキュラムのうち「心理学的支援法」に対応する。

【授業の目標】
・カウンセリングの基礎について学ぶ
・心理学的支援のさまざまな技法の基礎と特徴、その適用範囲について学ぶ
・心理学的支援をおこなううえでの心構えや責務について学ぶ

【履修上の留意点】
この科目は、公認心理師の学部カリキュラム「心理学的支援法」に対応しています。他の関連科目も積極的に履修してください。

第13回 危機介入と心の健康教育

突然の事故や災害など、危機に直面した際にコミュニティおよびその成員は大きな心の傷を受ける。そのときの心の経過はどのようなものなのか、支援者はどのように関わっていくべきなのか、またその中で心の健康やしなやかさをどう保っていくのか。あるいはそのような状況でなくとも、日常生活において心理的な破綻をおこすことなく生きるにはどのような支援ができるかということについても講じる。

【キーワード】
危機介入、トラウマ、ストレス、予防、心の健康、心理教育

執筆担当講師名:波田野 茂幸(放送大学准教授)
放送担当講師名:波田野 茂幸(放送大学准教授)
ゲスト: 北原 知典(放送大学准教授)


問題 8 危機介入と心の健康教育に関して述べた,次の①~④の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

危機状態は,子どもが誕生することや進学などの出来事では生じ難い。
② 危機とは今までの対処法だけではなく,新たな対処法について習得し,成長促進の可能性も含まれている機会である。 正解です。
危機介入を行う際は,一刻も早く支援を行う必要性があるため,個人や集団に対する危機状態のアセスメントは行う必要はない。
④ 心理教育の対象者は,心理的問題を抱えている個人のみに行う。

フィードバック 正解は②です。

【解説/コメント】

①ライフサイクルの中で,新しい環境や生活スタイルが求められる場面など,新しい行動様式が求められる場合に起こりやすいです。

②正しい記述です。

③危機介入の進め方としては,危機状態にある当事者や組織等のアセスメントを行い,援助や介入の計画を立てて,実施をしていきます。

④心理教育は問題の予防や再発の防止が目的となるため,心理的問題を抱えている本人のみならず,その個人の家族や周辺にいる関係者に対しても行うことで,環境調整の役割も果たしていきます。

Pocket
LINEで送る