第13回 介入研究法
心理学研究法(’20)
Psychological Research Methods (’20)
主任講師名:三浦 麻子(大阪大学大学院教授)
【講義概要】
心理学の諸領域で用いられている基礎的な研究法について講義する。学習者が自らテーマを設定して研究を計画し、一連の科学的実証手続きを経てそれを遂行できるようになることを目指して、心理学の研究者・実践家としての心構えを含めて、スキルとテクニックを教授する。
【授業の目標】
心理学の諸領域で用いられている基礎的な研究法を学び、それらをふまえて自らテーマを設定して研究を計画し、収集したデータを分析・考察するという一連の科学的実証手続きを遂行するためのスキルとテクニックを習得することを目指す。
第13回 介入研究法
心理療法や心理学的支援などの介入の効果を明らかにすることを目的とした、介入研究法の基礎について学ぶ。介入法が有効とみなすことができる条件や、具体的な介入研究の手続きについて理解する。
【キーワード】
介入研究、ランダム化比較試験、一事例実験デザイン
執筆担当講師名:佐藤 寛(関西学院大学教授)
自閉スペクトラム症の子どもと,自閉スペクトラム症でない子ども,それぞれ 20 名ずつを対象として,認知機能を測定する検査のデータを比較する研究法はどれに該当するか。次の①~④の中から正しいものを一つ選べ。
① ランダム化比較試験
② その他の比較試験
③ 一事例実験デザイン
④ 基礎研究
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正解は④です。
【解説/コメント】
①ランダム化比較試験では対象者を 2 つ以上の条件にランダムに割り付けて,少なくとも 1 つの条件では介入を実際に行います。
②その他の比較試験では対象者のランダム割り付けは行われませんが,少なくとも 1 つの条件では介入を実際に行います(1 つしか条件がない場合もあります)。
③一事例実験デザインでは少数の対象者に実際に介入を行い,従属変数を丁寧に反復測定します。
④基礎研究では実際に介入は行わずに対象者からデータを収集します。認知機能を測定する検査を実施するのは「介入」には含まれません。