第12回 認知症の理解
第12回 認知症の理解
認知症は頻度が高く、生活に大きな影響を与えることから、高齢者の心理的問題を考える上で重要なテーマである。ここでは、認知症の原因疾患と主な症状とその検査、治療法について解説する。
【キーワード】
認知症、認知機能障害、BPSD、うつ、せん妄、非薬物療法
1.はじめに
軽度認知障害患者 400万人
認知症患者 462万人
2.認知症の診断
(1)認知症の診断基準
(2)認知症の原因
アルツハイマー型認知症 67.6%
血管性認知症 19.5%
レビー小体型認知症 4.3%
(3)早期診断の重要性
「治る認知症」
慢性硬膜下血腫
甲状腺機能低下
(4)鑑別診断の手順
(5)認知機能検査
パレドリア パレイドリア ( 英: Pareidolia )とは、心理現象の一種。. 視覚刺激や聴覚刺激を受けとり、普段からよく知ったパターンを本来そこに存在しないにもかかわらず心に思い浮かべる現象を指す。. パレイドリア現象 、 パレイドリア効果 ともいう。. 一般的な例として、雲の形から動物、顔、何らかの物体を思い浮かべたり、月の模様から人や 兎 の姿が見えてきたり、録音した音楽を逆再生したり速く/遅く再生して隠されたメッセージが聞こえてきたり、というものがある。. 意識が明瞭な場合でも体験され、対象が実際は顔でなく雲だという認識は保たれる 。.
3.認知症の症状
(1)症状の分類
「認知症に伴う行動・心理症状」BPSD:(Behavioral and psychological symptoms of dementia)は認知症の行動・心理症状のことをいい、国際老年精神医学会は「認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の障害による症状」
認知症のBPSDとは?中核症状との違いや、原因、悪化させないコツについて解説 – LIFULL 介護(ライフル介護) (homes.co.jp)
(2)中核症状(認知機能障害)
近似記憶、遠隔記憶
注意障害、言語障害、実行機能障害、運動性失語、感覚性失語
(3)周辺症状(BPSD)
4.主な疾患の症状と経過
(1)アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳の中にアミロイドβという蛋白質が溜まり、正常な脳の神経細胞を壊して脳を萎縮させる病気です。12 この病気は徐々に進行し、短期記憶を司る海馬にも影響を及ぼします。1
初期症状は、最近の出来事を思い出すことができなくなる、物忘れが多くなる、日常生活での判断力が低下するなどです。2 この病気は認知症の60~70%の原因となっています。2
早期の対策が重要です。3 アルツハイマー型認知症の患者と接する際のポイントにも触れている記事があります。3
1: アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)とは|初期症状・原因・治療法など 3: アルツハイマー型認知症の症状とは?原因から経過、治療まで 2: アルツハイマー病 – Wikipedia
(2)レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症とともに、「3大認知症」といわれています。レビー小体型認知症は、認知症の20%を占める病気で、レビー小体という神経細胞に出来る特殊なたんぱく質の増加が原因となります。12
レビー小体型認知症の症状には、視空間認知障害、問題解決能力の低下などの「認知機能障害」のほか、現実にないものが見える「幻視」、身体の動作が遅くなる、転びやすいなどの「パーキンソン症状」、睡眠時に激しい体動や声を出す「レム睡眠行動障害」などがあります。3
治療法については、薬物治療やリハビリテーションがあります。12 また、家族や介護者の方々が理解しやすいように、情報提供や相談窓口もあります。13
(3)血管性認知症
「血管性認知症」とは、脳血管障害(脳卒中)によって起こる認知症のことを指します。脳卒中には、脳血管が詰まって起こる脳梗塞や、脳血管が破綻して生じる脳出血などがあります1。アルツハイマー型認知症のような記憶障害のほか、その他の認知症の症状(言語障害・見当識障害など)がまだらに生じる特徴(「まだら認知症」)を持っています2。
血管性認知症の主な症状は、アルツハイマー型認知症と似ていますが、突然感情が大きく変化したり、できることとできないことが極端になる場合がある点が異なります2。治療法は、原因によって異なりますが、高血圧や高脂血症などの生活習慣病を予防することが大切です2。
(4)前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症(FTD)は、前頭葉や側頭葉が委縮して起こる認知症です。万引きや痴漢、暴力などの反社会的行動が目立ちます1。前頭側頭型認知症が疑われる場合、まずCTやMRIを実施して、前頭側頭型認知症でみられる脳の萎縮が認められるかを確認します2。アルツハイマー型認知症 (AD)、 脳血管性認知症 (VaD)、 レビー小体型認知症 (DLB) とともに「四大 認知症 」の一つとされています3。
1: 前頭側頭型認知症(FTD)とは | 認知症ねっと 2: 前頭側頭型認知症(ピック病)とは?|症状と経過、ケアの … 3: 前頭側頭型認知症 – Wikipedia
5.治療
(1)薬物療法
(2)非薬物療法
6.まとめ
まずその人の疾患の特徴を理解し、生涯だけでなく残存機能も的確に評価して環境調整や本人、家族への介入を進めることが重要である。