第1回 臨床心理学とは何か

第1回 臨床心理学とは何か

本章では、臨床心理学の定義について述べ、代表的な心理アセスメント法や心理療法・心理カウンセリングの理論と実践がこれまでどのように形作られてきたかについて概観する。

【キーワード】
臨床心理学、心理臨床、心理アセスメント、心理療法、心理カウンセリング


臨床心理学の定義

初期の定義 「臨床心理学は、問題を持った個人の問題の診断と治療のための応用心理学である。」

近年の定義 「臨床心理学は臨床的つまり心理的に苦しんでいる個人を理解し援助することの関心によって、最もはっきりと定義される。」

問題 → 心理的に苦しんでいる個人

診断 → 理解

治療 → 援助

 

問題 → 心理的問題

診断 → 心理的アセスメント・見立て

治療 → 心理療法・カウンセリング

患者 → クライエント

実験心理学と、応用心理学

心理的問題

第一群 心の傷 人生の苦悩、ストレス、欲求不満

・人間関係の問題

・能力や適性の問題

・感情や意欲の問題

・その他の問題

第二群 心の病 精神障害の症状、社会的問題行動

・発達障害 知的障害、ADHD、学習障害、自閉症スペクトラム障害など

・神経症圏の反応 神経症疼痛・麻痺、強迫神経症、恐怖症、パニック障害、PTSD、不登校、ひきこもり、神経症うつ状態、神経症食思不振症(拒食症)など

・精神病圏の反応 妄想、幻聴、統合失調症、躁鬱病など

・境界領域の反応 境界例 境界性人格障害など

・問題行動 非行、犯罪、虐待、ハラスメント、自傷行為、自殺企図、薬物依存など


知的障害があるとされる人の多くは、子どもの頃から知的発達が全般に遅れ、日常生活にも支障が生じる。

そうです。知的障害は、通常、生まれつきまたは幼児期に発症し、個人の知的発達が全般的に遅れ、認知能力や社会的スキル、言語能力などの発達に支障が生じます。知的障害の程度は、軽度から深度まで様々で、それに応じて個人の日常生活における支援や介助が必要になる場合があります。知的障害の原因は、遺伝的または環境的な要因が関与することがあります。治療法は存在しませんが、早期の発見と適切な支援や介助によって、個人の能力を最大限に引き出し、自立した生活を送ることができるようになることがあります。


自閉症と診断される人は、すべて、幼い頃に何時間も物をクルクル回して遊んでいたことが確認されている。

自閉症と診断される人が幼い頃に何時間も物をクルクル回して遊んでいたということは、一部の人に当てはまるかもしれませんが、すべての自閉症の人に当てはまるわけではありません。実際、自閉症の症状は多岐にわたり、個人差があります。一般的に、自閉症の人は社交的なスキルやコミュニケーション能力が低下しており、興味のあることに強い関心を持つ傾向があります。ただし、幼い頃の行動パターンは、自閉症の診断に重要な役割を果たすことがあります。幼児期に自閉症の兆候が現れた場合、早期の介入や治療がより効果的であるため、幼児期の行動パターンの詳細な観察が重要になることがあります。しかし、自閉症は単一の原因ではなく、複数の要因が影響しているため、個人差が大きく、幼児期の行動パターンだけで自閉症の診断を確定することはできません。

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