国民が苦しみもがいている時、政府は税金を引き上げる。「日本経済は復活しない」と断言できるワケ=鈴木傾城
経済縮小(デフレ)しているのに、日本政府はまるで「死ね」と言わんばかりに消費税を引き上げたので、日本経済はまったく成長しないままゼロ成長に沈んでしまっている。左翼反日議員は論外だが、与党の議員もまともかどうかは怪しいものだ。今の状況では、私たちの将来はないと断言できる。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
「このままでは駄目になる」と理解しても何もしない
日本政府はこの30年、失策続きでずっと経済縮小(デフレ)を止められなかった。それにもかかわらず、政府はひたすら消費税を始めとした税金を引き上げてきた。社会保険料もまたどんどん上がっている。
新しい税金も次々と「発見」して取り入れようとしている。「炭素税」だの「森林環境税」だのを予定し、「独身税」だとか「死亡消費税」みたいな奇妙なものまで研究しているのである。
ガソリンが上がってもガソリン税を下げようともしなかったが、電気代が上がっても再エネ発電賦課金みたいなステルス税金もどきも勝手に取り入れて引き上げたりしている。
そんなわけで、国民はもう完全に疲弊している。経済格差も広がり、富裕層がよりリッチになる現象と共に、いまや年収186万円かそれ未満の層が約1,200万人になっているのである。
少子高齢化もますます深刻化する中、高齢者の貧困も深刻になっていくばかりだ。
政府は「年金だけでは暮らしていけない」「老後は2,000万円の貯金が必要」と言っているのだが、2,000万円以上もの資産を持っている高齢者は全体の32%程度しかなく、ほとんどの高齢者はそんな資産は持っていない。それこそ、「資産ゼロ」の人も19%もいる(令和3年:金融広報中央委員会より)。
日本人は享楽的な民族ではない。しかし、その日本人も日本政府の長く続く失策と税金や社会保険料の過剰なまでの搾取で、このような状況に追い込まれてしまっているのである。
相変わらず政治が変わらないのであれば、「このまま日本は駄目になる」とすべての日本国民は理解している。しかし、「理解はしているが何もしない」ので、座して国を滅ぼしてしまうのだろう。
「死ね」と言わんばかりに消費税を引き上げた日本政府
日本という国のバイタリティはもはやこの30年で完全に喪失してしまっている。1990年以降のバブル崩壊で日本経済が縮小(デフレ)に入ったのと同時に少子高齢化が急加速して進むようになったため、日本の成長は目に見えて低下していった。
バブル崩壊以後、日本政府はまったく日本を成長させることができなかった。1991年から2021年までの実質GDPは、平均0.7%である。非常に弱々しく推移しており、さらには何度もマイナスに突っ込んでいる。
1993年:マイナス0.5%
1997年:マイナス0.1%★
1998年:マイナス1.0%
2001年:マイナス0.7%
2008年:マイナス3.6%
2009年:マイナス2.4%
2014年:マイナス0.4%★
2019年:マイナス0.7%★
2020年:マイナス4.5%
驚くかもしれないが、経済成長することができずに苦しみもがいている時に、政府は何をしたのかというと、税金を引き上げているのである。ちょうど★が付いている時は消費税が上がった年である。
経済縮小(デフレ)しているのに、日本政府はまるで「死ね」と言わんばかりに消費税を引き上げたので、日本経済はまったく成長しないままゼロ成長に沈んでしまっているのだ。
経済停滞は「日本政府の責任」
日本人はバブル以後は急に怠け者になったわけではない。あるいは、日本国内で戦争や内戦が起こっているわけでもない。日本は社会が機能しているのである。
にもかかわらず、まったく経済成長できていないのであれば、これはもはや「日本政府の責任」なのである。
この30年に政権を担ってきたすべての首相は、経済成長を成し遂げることができなかった責任を取る必要がある。
デフレを放置して税金や社会保険料だけは嵩上げ
日本経済は内需の拡大で成り立っていたのだが、消費したら政府が横から出てきて、店に払う金とは別に10%も税金を日本政府がむしり取っていくのだから、誰が好きこのんで消費しようと思うのか。
日本国民の4人に1人は高齢者、さらに今後は3人に1人が高齢者となる社会で消費税を上げたら、なおさら誰も消費なんかしたいと思わなくなる。
それなのに、政府はもっと消費税を引き上げようとしているのだから、これからも経済が縮小していくのはあまりにも分かりきった結論である。
経済成長せず、税金や社会保険料は高く、非正規雇用ばかりになって将来が見えないのであれば、若者も結婚したり子どもを作ったりしたいとは思わない。当然、少子高齢化はもっと進む。
日本は今、「超」少子高齢化に対して完全に無策の中、経済大国と言われる国の底辺から、まるで真綿で首を絞められているように国民が経済窒息しつつある。
バブル崩壊以後、最初の10年は「日本はいつか復活する、そのうち復活する」と言う人も多かったが、2020年代に入った今、もうそんな人はどこにもいなくなった。
今までの政権を担ってきた人間たちが相変わらずこれからの政権を担うということなのであれば、日本は衰退していくばかりだろう。
少子高齢化・低賃金・増税で苦しむ日本経済が復活することは絶対にない
これまでの日本政府は、少子高齢化を放置し、消費税を引き上げ、他にも50種類近くの税金を国民に科して、社会保険料もどんどん引き上げ続けている。そして、国民のまったく上がらない賃金から半分近くを搾取していく。
経済縮小(デフレ)を放置して税金や社会保険料だけは嵩上げするという間違った政策を30年以上も行っているのだ。
よく考えて欲しい。子どもを減らし、高齢者を増やし、消費させないように消費税を導入して内需を減退させているのが日本政府である。こんな状況で日本経済が復活するとでも思うだろうか。
あまりにも馬鹿げている。はっきり言えば、今のままでは日本の経済的復活が成し遂げられることは絶対にない。
今の状況では、私たちの将来はないと断言できる
4割近くの労働者は、非正規雇用に追いやられていき、年功序列も終身雇用もなく、正社員になれる確率もなくなり、企業の都合や景気の悪化によっていつでもクビを切られる立場と化した。
非正規雇用者は低賃金で雇われ、奴隷のように働かされ、あげくの果てに企業の都合で使い捨てにされる。労働者は保護されない。保護されるどころか、逆に使い捨ての傾向が高まっている。
景気が良くて、働くところがたくさんあって、給料がどんどん上がっていくのあれば、非正規雇用が増えてもいいのかもしれない。しかし、経済縮小(デフレ)の中で仕事が消えて賃金が下がる一方の社会では貧困化するだけだ。
これで消費税を上げて、日本経済が復活すると思っているのであれば、日本政府はどうかしている。なぜ30年経っても、政治家たちは「こんな単純な話」が理解できないのか。
消費税に対する風当たりは強いので、「消費税は10年触らない」と言う政治家もいるのだが、とすれば11年目はまた上げるつもりなのか。経団連などは「消費税は19%にしろ」と言っているのだが、経団連の言うことをよく聞く政府は、それを目指して段階的に引き上げていく可能性もある。
今、物価高がやってきているのだが、物価が上がれば取られる消費税も上がる。そうなれば、年金生活者はもっと貧困に落ちていくのだが、驚いたことに日本政府はマクロ経済スライドなるトリックを使って年金を引き下げているのである。
日本国民は政府に搾取され続けている
日本国民は、自分たちの政府にいいようにあしらわれて搾取され続けている。
日本の経済的な苦境は突然起きた現象ではない。少子高齢化も昨日今日から問題になっているものではない。20年以上も前から、ずっと言われ続けてきた。しかし、日本人は先送りと事なかれ主義で今日までやってきて、今もこれが日本のクライシスにつながると実感できていない。
今、何とかしなければ、どんどん日本は壊れていく。今の状況では、私たちの将来はないと断言できる。少なくとも今の政治を担っている連中が、全員役に立たない人間であるというのは断言できる。左翼反日議員は論外だが、与党の議員もまともかどうかは怪しいものだ。