再・第05回 精神分析における心の発達論

第05回 精神分析における心の発達論

第5回 精神分析における心の発達論 – LIFE-SHIFT (lifeshift.site)

精神分析による心の発達のとらえ方は、欲動中心から二者関係の視点、環境との相互作用をふまえた発達論へと展開している。親(養育者)との情緒交流を通した自己の形成、その不全が精神病理に及ぼす影響についても検討されてきた。空想や不安の質をみきわめて関わっていくときに、発達論が理解の基盤を提供する。


1.フロイトの精神ー性的発達論

①性欲動(リビドー)が人間の精神発達を支配するというもの

②その理論化は乳幼児の直接観察によるものではなく、成人の精神症患者による想起をもとに遡及的に再構成してもの

「葛藤外の自律的自我領域」ハインツ・ハルトマン ハルトマンは、『自我』を『イド(エス)』や『超自我』の対立や葛藤とは無関係に形成される自律した機能をもつ存在であると考えました。 そしてこのような考えを『 葛藤外の自我領域 』と呼び、『自律的自我』の理論を生み出していきました。

2.自我心理学の発達論

アンナ・フロイト「発達ライン」欲動、自我ー超自我の発達、およびそれらの環境的な力に対する反応と交互作用の結果を、つまり成熟、適応、構造化の交互関係で示すものである。

第一ライン ー 全面依存から、青年がもつ心身の自己信頼へと至る、成熟を基盤とした発達ライン

第二ライン - 母親に完全に依存している状態から身体的自立へと向かうライン

第三ライン - 自己中心性から仲間を持てるようになるまでのライン

第四ライン - 欲動を向ける対象が、自らの身体(体いじり)から玩具へ遊びから勉強や仕事へと向かいライン

エリクソン「漸成発達理論」個体が発達する姿を心理社会的な観点からライフサイクル全体として描写したもの

3.クラインのポジション論

メラニー・クライン「妄想ー分裂ポジション」と「抑うつポジション」

4.マーガレット・マーラーの「分離ー個体化」過程

マーガレット・マーラー – Wikipedia

ルネ・スピッツ「心のオーガナイザー」,「自己調整(self-regulation)」

マーガレット・S・マーラー(Margaret Schoenberger Mahler)【母子の心理学】マーラーの分離-固体化理論をざっくり解説 | サイコロブログ (saikolodsm.com)

生後数週間からおおよそ3歳の「心理的誕生」に至るまでの発達の筋道を「分離ー個体化」過程とした。

分離ー身体感覚を含めた母親と離れていられるという意識をもつこと。

個体化ー「私が<存在すること>の感覚」を基盤にした自律性のもとで個性をつくっていくこと

「正常な自閉期」ー幻覚的な全能感のもとでホメオスタシスを保とうとする。

「正常な共生期」ー乳児が母親とひとつの共通する境界内部で生きていると経験している。未分化で融合する時期。「孵化(ふか)」する。

「分化期」ー外部に向けられた知覚活動が生じ、母親の顔を手や目でさかんに探索して自分の体と区別する。

「練習期」ー移動運動能力が飛躍的に成熟し、這い這い、直立歩行により自力で母親のところを離れられるようになる。

「再接近期」ー母親から離れる動きが反復し、接近を求める要求が再び前景化する。

5.スターンの自己感の発達

「自己感(the sence of self)」新生自己感、中核自己感、主観的自己感、言語自己感

 

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