人生即努力、努力即幸福
蓄財を通じてわれわれは色々な蓄積法を学ぶ。力の蓄積、知識体験の蓄積、徳の蓄積などはそれであって、金銭の場合よりもむしろこの蓄積のほうが大切な場合がある。
だが、金銭を浪費せぬ習慣をつくることにより人の生命の浪費、生活の浪費をさけ勤業布施の徳をも積み上げ得られるのであるからとりもなおさず、財の蓄積は生命力、生活力、人徳の蓄積ともなるのである。
このことはだれでもが実行していく間にしみじみ味わい得られる境地であろう。
この言葉は、本多が四分の一貯金などを若いときから実践するなかで、みずからが体験し会得してきたまさに生きた哲学といってよいでしょう。
日々の生活の中で自らの生活をダウンサイズし強い意志で貯蓄を実行していく。
お金が貯まっていくのはもちろんですが質素な生活を続けていく副産物として健康や、見えない要素である人徳なども自然に蓄積でき、その結果として幸せな境地に至ることを説いています。
貯蓄の結果として生命力があふれ、また人徳を積み上げた自分ができあがる。
むしろこちらの方が大事であるとまでいっています。
ぼくもこの言葉にとても納得して、日々の生活の基本にしています。
本多の教えを守って、質素倹約な生活を送り貯蓄に精進していけば、どう考えても人生が悪い方向に行きようがないはずです。
もうひとつ、ぼくの座右の銘としての本多の言葉に
経済の自立なくして自己の確立(精神の自立)はありえない。
そうしなければ、金の為に自由をうばわれ精神の独立も生活の独立もおぼつかないようになる。
個人が信念をつらぬく為には、財産(金)が必要で財産を手に入れるためには、信念をもって、蓄財に励む必要がある。
というものがあります。
つとめ人をやっていれば、会社や上司からの理不尽な要求や指示、場合によってはコンプライアンスに触れるような内容の場合もあるかもしれません。
しかし本多の言うように、財産があれば信念をもってそれをはねのけることもできますし、本当の意味での独立を確立できます。
ですので、理想論ではなく現実論として蓄財に励み財産を作っていくことは大切ではないでしょうか。