第4回 学習心理学

心理学概論

第4回 学習心理学

私たちの日常の行動のうち、生まれつき備わっているものは僅かであり、その多くは生後のさまざまな経験を通して学習される。そうした学習が成立するメカニズムを解明しようとするのが、学習心理学である。この回では、代表的な学習理論を取り上げ、そのそれぞれが学習をどう捉えているのかについて、具体例を挙げながら解説する。また、学習心理学との関連が深い認知心理学についても、その一端に触れていく。

【キーワード】
古典条件づけ、道具的条件づけ、観察学習、洞察学習、認知心理学

進藤 聡彦(放送大学教授)
渡辺 茂(慶應義塾大学名誉教授)

1.学習とは何か

心理学でいう学習 「経験によって生じる一時的ではない心理的機能に関わる行動の変化」
経験によって 生得的でない
一時的ではない 飲酒や疲労などによる一時的な変化ではない
心理的機能 ウェイトトレーニングで筋力が高まったなどは含まれない
行動: 外から見えるものと、知識の習得や価値観の変化など、目に見えないものを含む

 

2.2つの条件づけ


(1)古典的条件づけ (レスポンデント条件づけ)
有名なパブロフの犬

古典的条件付けによる学習:本来の反応を引き起こすはずのない中性刺激に対して反応が生じる。
無条件刺激、無条件反応
条件刺激、条件反応

消去、般化、弁別(弁別学習)・講義では、ハトがモネの絵を弁別する

(2)道具的条件づけ (オペランド条件づけ)
スキナー
スキナー箱
オペラント条件づけ


行動形成(シェィビング)

3.その他の学習様式
(1)観察学習

観察学習とは
・観察個体が、ある刺激へのモデルの行動とその結果を観察し、モデルの行動そのものではなく、それらの因果関係を学習すること ・観察学習は、観察個体がモデルと同一の行動を示すとは限らない点で模倣とは異なる

バンデューラ 模倣と観察学習

(2)洞察学習
ヴォルフガング・ケーラー 洞察学習
ゲシュタルト心理学者ケーラーのチンパンジー実験
試行の繰り返しを必要とせず、学習は一瞬のひらめきによって一挙に成立すると考える(森,2013)
直感に関する研究の展望
数学的問題解決の「ひらめき」に係わる メタ認知の働き …
連合理論と認知理論

4.認知心理学への展開

個体によってどのような情報処理が行われるのか違いがあると考えられる。
・道具的条件づけ:かかる時間の差(レバーを押してエサを手に入れられるまでの時間)
・洞察学習:バナナをとれるチンパンジーとそうでないもの(個体差)

認知心理学とは
思考や記憶といった認知機能について、そのメカニズムを解明しようとするのが、1960年代後半から盛んになった認知心理学です。 刺激に対する情報処理の過程(認知過程)に着目する。

例として類推(アナロジー)がある。
認知心理学


学習の心理―行動のメカニズムを探る (コンパクト新心理学ライブラリ)
間違いだらけの学習論―なぜ勉強が身につかないか

おもしろ思考のラポラトリー


心理学概論
目次
1 心理学とは
2 心理学の研究方法
3 知覚心理学
4 学習心理学
5 生理心理学
6 比較心理学
7 教育心理学
8 発達心理学
9 臨床心理学
10 パーソナリティ心理学
11 社会心理学
12 産業・組織心理学
13 文化心理学
14 心理統計の役割
15 心理学を学ぶということ

Pocket
LINEで送る

“第4回 学習心理学” への3件の返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA