第12回 神経系-1

人体の構造と機能(’22)-人体の構造と機能及び疾病A-

Structure and Function of the Human Body (’22)

主任講師名:坂井 建雄(順天堂大学特任教授)、岡田 隆夫(順天堂大学特任教授)

【講義概要】
私たちの健康は正常な構造が正常に機能して初めて可能となる。看護師などの医療職に就くためには私たちの身体の正常な構造を知り、それがどのように機能しているかを理解しておく必要がある。私たちの身体の中には胃や腸、心臓、筋肉等々さまざまな器官・組織があるが、これらは互いに独立して働いているわけではなく、筋運動をすると心拍が速くなることからもわかるように、相互に密接に関連しながら機能している。このような機能の調節をも含めて、トータルとしての人体の構造と機能を理解することを目標とする。

【授業の目標】
人体の構造をマクロ・ミクロの両面から系統的に学ぶ。
人体の各器官系の機能を調節系も含めて系統的に学ぶ。

【履修上の留意点】
限られた時間内で全てを講義することは不可能であり、教科書による自己学習が必須である。予習をしてあることを前提として授業を展開する。疑問の点、わからない点は積極的に質問するよう、心がけてほしい。
「動物の科学」「生命分子と細胞の科学」(いずれも学部開設科目)を学んでおくと理解しやすい。また、発展・応用科目としての「健康長寿のためのスポートロジー」の受講もお薦めする。
※この科目の通信指導問題の解答および提出はWebのみとなります。通信指導問題冊子は送付されませんのでご注意ください。

第12回 神経系-1

感覚の総論、頭部の特殊感覚器の構造と機能、全身の末梢神経を解説する。

【キーワード】
眼、耳、鼻、脳神経、脊髄神経


問題 10 視覚器に関する①~⑤の文章のうちから、正しいものを一つ選べ。

① 角膜は眼球全体を覆う白い膜である。
② 黒目の中に毛様体の一部が見える。
③ 網膜の杆体は色の違いを感じる。
④ 遠近調節は虹彩によって行われる。
⑤ 眼球は6本の眼筋によって動かされる。 正解です。

フィードバック正解は⑤です。

【解説/コメント】

①眼球の表面を包む丈夫な膜は線維膜と呼ばれ、その前方の一部は透明で光を通す角膜で、残りの大部分は白く光を通さない強膜です。
②眼球の壁の中間層は脈絡膜で、その前方部には虹彩毛様体という2種類の突起があります。眼球を前から見ると黒目の中に虹彩が見えますが、毛様体はその奥に隠れて見えません。
網膜には2種類の視細胞があり、杆体は感度が高く白黒のみを感知し、錐体は3種類があって色の違いを感じ、その代わり感度が低くなっています。
④遠近調節は、毛様体の平滑筋が収縮・弛緩をして、水晶体を横から引っ張る強さを変えることにより、水晶体の厚さを変えて行われます。
⑤眼球には、4本の直筋(上、下、外側、内側)と2本の斜筋(上、下)が備わって眼球を動かします。頭の向きが動いたときに、反射的に眼球の向きを反対方向に動かして、視線を一定に保つ働きをしています。


問題 11 耳に関する①~⑤の文章のうちから、正しいものを一つ選べ。

① 耳管は外耳の一部である。
② 鼓膜は中耳と内耳の間にある。
③ 耳小骨の中でキヌタ骨が最も奥にある。
④ コルチ器は聴覚を感知する。 正解です。
⑤ 半規管の膨大部は重力を感知する。

フィードバック 正解は④です。

【解説/コメント】

耳管は中耳の鼓室と咽頭をつなぐ管で、中耳の一部です。
鼓膜は外耳の外耳道と、中耳の鼓室の間を隔てています。
耳小骨は3つあり、手前から順にツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨です。
内耳は前方の蝸牛、中間の前庭、後方の半規管の3部に分かれています。蝸牛はラセン状の形をしていて内部が前庭階鼓室階およびその間の蝸牛管に分かれ、蝸牛管の床にあるコルチ器で音波を感知します。
半規管は3本のループ状の管からできており、ループの両端が前庭の卵形嚢につながっていて、回転の加速度を感知します。重力のような直線的な加速度は、前庭の球形嚢と卵形嚢で感知します。


問題 12 脊髄神経と脳神経に関する①~⑤の文章のうちから、正しいものを一つ選べ。

① 脊髄神経節は前根に付属する。 不正解です。
② 脊髄の前角には感覚神経細胞がある。
③ 上肢に分布する腕神経叢はおもに頸神経からなる。
④ 舌の運動は脊髄神経により支配される。
⑤ 脳神経は10対ある。

フィードバック 正解は③です。

【解説/コメント】

①脊髄神経節は感覚ニューロンの細胞体を含んでおり、脊髄神経の後根に付属しています。
②脊髄の前角には運動ニューロンの細胞体があり、その軸索の運動神経線維は前根を通って脊髄から出ていきます。これに対して後根は感覚神経線維を含んでいます。
上肢に分布する腕神経叢は、C5~T1の脊髄神経からなります。
舌の運動は、脳神経のXII番の舌下神経により支配されます。
⑤脳神経は12対あります。

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