再・第11回 ユングによる無意識の探求―集合的無意識の発見

ユングは、クライエントの夢や幻想の理解において、神話や昔話のモティーフを根拠として用いた。それらのモティーフの生成に関わる集合的無意識に存在するイメージの枠組みは元型と名付けられた。時代や地域を超越して私たちの心に共有さ…

第12回 地球環境・生態系:生物・生態系のレジリエンス

環境変化に対する生物・生態系の応答から、生物・生態系が持つレジリエンスについて紹介する。生物・生態系のレジリエンスの理解は、人間社会のレジリエンスの理解に対する示唆を与えるとともに、人間社会を支える生態系の保全策の立案に…

再・第10回 ユングのとらえた自我と無意識の相補的関係

フロイトの精神分析が自我の発達を重視するのに対してユング心理学では、自我と無意識の間の相互作用やその間に生じる補償といったダイナミックな現象に着目している。フロイトの精神分析においては、無意識とは、意識から抑圧された個人…

第11回 経済学から見た経済危機に対するレジリエンス

この回では、社会の人々の行き過ぎた経済行為が深刻な経済危機を生み出さないように、人々の間で経済行動の目安やルールを共有しておくことの重要性を議論していく。最初の事例は、適度な株価の目安としてP/E比率を提示するとともに、…

第10回 経済学から見た自然災害に対するレジリエンス:東日本大震災の経験を踏まえて

この回では、災害の予見や回避の範囲について非常に狭く限定することを前提に法的な過失責任を特定の個人や団体に負わすよりも、災害の予測範囲や回避手段をできるだけ柔軟に設定して広範な人々がベストエフォートベースで災害に備えるこ…

再・第09回 近代的パーソナリティ研究の先駆者としてのユング

C.G.ユングは、近代におけるパーソナリティ研究の先駆者の一人である。言語連想実験を活用して、無意識の作用を実験精神医学の手法によって証明する研究を行い、そこで見出されたコンプレックス概念により、フロイトの「抑圧」概念を…