【9月26日 AFP】スペイン・カタルーニャ(Catalonia)自治州のバルセロナ(Barcelona)にあるモヌメンタル(Monumental)闘牛場で25日、同州最後の闘牛の興行が行われ、3人のトップ・マタドール(闘牛士)が6頭の牛を相手にその技を披露した。

何世紀も続いてきた伝統あるカタルーニャの闘牛だが、動物愛護団体などが廃止を求める18万人分の署名を提出したことを受け、2012年1月1日から同州での闘牛を禁止する条例が前年、州議会で可決されている。

1914年に開業したモヌメンタル闘牛場は、現在バルセロナに唯一残った闘牛競技場。最後の闘牛興行のチケットは完売し、当日は闘牛場を埋め尽くした1万8000人の観衆が「自由を!」と叫んだ。

この日、最後に登場した闘牛支持派のカタルーニャ人闘牛士、セラフィン・マリン(Serafin Marin)さんは、体重570キロもある牛を倒した後、胸に手を当てた。その後、観衆らが3人の闘牛士を肩に担いで市内を練り歩いた。

観戦に来た68歳の男性は「この闘牛場を閉鎖するなんて、ピカソの絵をゴミ箱に捨てるようなもんだ」と語った。

カナリア諸島(Canary Islands)では既に91年に闘牛を廃止しているが、スペイン本土で闘牛禁止を決めたのはカタルーニャが初めて。闘牛廃止の機運はスペイン各地にも広がってはいるが、今のところはカタルーニャに続く自治体が現れる気配はない。(c)AFP/Elodie Cuzin