饒舌な動植物たち: ヒトの聴覚を超えて交わされる、クジラの恋の歌、ミツバチのダンス、魚を誘うサンゴ

人間は、見るより聞くを大切にしていただろうか

他の動植物が聞く能力が非常に高い。ヒトは、音にあまり関心を寄せていなかったが、音の世界が地球上であったことを知らなかった。

1,000キロ先まで届くクジラの歌、
対ミツバチ警戒音を持つゾウ、
孵化する前から親子で呼び交わすカメ、
人間の産業活動が発する音で傷つくタコや海草……

ヒトには聴こえない音を聴き取り、意味を解析する研究が進んでいる。
その結果、動物の交流における音声の役割に加え、
聴覚器官を持たない植物やサンゴまでもが音を頼りに活動していることがわかってきた。

デジタル音響技術が明らかにした動植物の知られざる生態から、
人間の経済活動が発する音に影響される陸上・海中の生態系まで、
生命が奏でる音の多様性と未来を描く。

くじら

全世界で注目され、各誌絶賛!

美しい文章で描かれ、隅々まで研究が尽くされている。

数々の洞察が詰まった書物である。

聴くという行為をさらに押し広げていくことへの素晴らしい招待状だ。

——D.G.ハスケル(『木々は歌う』『ミクロの森』著者)

目次 : 1(セイボ―地上五〇メートルの生態系/ バルサムモミ―森は思考する/ サバルヤシ―砂浜で生きる/ トネリコ―倒木をめぐる生物たちの世界/ ミツマタ―紙と神の記憶)/ 2(ハシバミ―中石器時代の人々を養う/ セコイアとポンデロサマツ―木々をわたる風が太古と現代をつなぐ/ 幕間 カエデ―二本のカエデが紡ぐ歌)/ 3(ヒロハハコヤナギ―公園の木と川と風をめぐる生命のネットワーク/ マメナシ―街路樹はコミュニティへの入り口/ オリーブ―切り離せない木と人間の運命/ ゴヨウマツ―樹木の命と人間の命は関係性のなかに築かれる)

【著者紹介】
デヴィッド・ジョージ・ハスケル : アメリカ、テネシー州セワニーにあるサウス大学の生物学教授。ジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団からフェローシップを与えられている。オックスフォード大学で動物学の学士号、コーネル大学で生態学と進化生物学の博士号を取得。調査や授業を通して、動物、特に野鳥と無脊椎動物の進化と保護について分析を行い、多数の論文、科学と自然に関するエッセイや詩などの著書がある。活動は、科学、文学の域を超え、自然そのものを思索するところへ広がっている。『ミクロの森』(築地書館)は、ピュリッツァー賞最終候補となったほか、国際ペンクラブ・センターの選出するE.O.ウィルソン科学文学賞で次点となり、全米科学アカデミーの最優秀図書にも選ばれている

サンゴ

テクノロジー起業家であり大学人でもあるカレン・バッカー氏は、

音響を明らかにするデジタル・テクノロジーを視覚における顕微鏡の働きに匹敵するものであると美しい文章でつづる。

人間の聴覚能力を拡張することによって、テクノロジーは世界中の、そして系統樹の遠く離れた場所にある「新しいサウンドスケープ」に私たちを出会わせてくれる。

——アンドリュー・ロビンソン(ネイチャー誌)

ゾウ

入念な研究と、生き生きとした描写。

さまざまな側面から専門外にもわかりやすくまとめ上げた、この分野では初めての書物。

動物の生態系や科学の実践活動の物語、未来志向、先住民族の知恵に関する解説が、

学際的に配されており、素晴らしい出来栄えだ。

——ベンジャミン・ゴッテスマン(サイエンス誌)

動植物たちはどのようなコミュニケーションをとっているのか?──『饒舌な動植物たち: ヒトの聴覚を超えて交わされる、クジラの恋の歌、ミツバチのダンス、魚を誘うサンゴ』 – 基本読書

 

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