近い将来どうなるのかわからないのに、なぜ努力するのだろう。

近い将来どうなるのかわからないのに、なぜ努力するのだろう。

タバコは30歳目前で止めた。
お酒はタバコを止めるために飲む場所に行かないようにしたら止められた(元々、家では飲まない)、
海外旅行は当分、コロナで行きたくない(国内旅行も同じ)、
クルマや時計、アート作品には興味ない、
家電は、最低限使えるものがあればいい、とくに機能のあるものや大きなものは必要ない。
(TVは2008年製の19型、PCは10年くらい前のものを友人に中古で譲ってもらって使ってる)
(冷蔵庫と洗濯機は、2000年製くらいのを、2003年に中古で買って、そのまま使用している)

こんな私なので、大きな出費は考えられず、
努力して、働いて、お金を必死に稼ぐモチベーションがわかなくなっている。

会社を辞めないかと言われました。定年までにはまだ数年ありましたが、退職金をもらおうかな。

時間の使い方が大きく変わり、特に自分の時間を楽しみたいと考えるようになりました。
サーフィンをしてみないし、新たな勉強をしたいともずっと思っていました。

年を取り過ぎて、何にも興味がなくなる前に、勉強したいうちにしておきたい。

【放送大学】科目登録申請期間(8/15〜8/31)

 

パンデミック、ウクライナ戦争、テロ、環境問題などさまざまな困難によって将来が見通しづらくなっている中、ポジティブな希望を見出せなくなっているのです。

パンデミックは労働者が自らのキャリアや労働条件、長期的な目標や今後の行き方を考え直すきっかけとなり、パンデミックが一段落した今でも、元の仕事に戻りたい、と考える人が減っているというわけです。  雇用する側にはリモートワークの自由度と、スケジュールの柔軟性を求める傾向が強まっています。若者はこれまで以上にワークライフバランスを重視しているのです。

フランスでは、若い人たちがあまり「きつい仕事」をすることに興味を持っていないように感じますが、これは日本でも同じではないでしょうか。多くはないでしょうが、中には突然仕事を辞める人がいるのも同じです。彼らは自分の仕事や会社、ビジネスに対してあまり関心を持っていないのかもしれません。

政府が「働き方改革」に乗り出したことや、昨年発覚した電通の新入社員の過労死事件を契機に、過労や長時間労働の問題は世間でも大きな関心事の1つとなりました。その結果、残業時間を極力減らすように従業員に働きかけ、「22時以降の自動消灯」や「直行・直帰の推奨」などの対策をとっている企業も増えているようです。

しかし、仕事自体が減らなければ結局は家に持ち帰って仕事をせざるをえず、過労死の事件を聞いて「ひとごとじゃない」と思う人は少なくないのではないでしょうか。メディアでは、たゆまぬ努力で逆境を乗り越え成功した人がクローズアップされる一方で、近年は仕事を頑張りすぎた結果、過労死や過労自殺という形で命を落としてしまうニュースが報じられることも多くなりました。

そもそも、私たちはいったい、どこまで頑張ればいいのでしょうか?

働いている時間だけでは判断できない

たしかに、頑張ることは大切です。働いていると、誰でも頑張らないといけない場面、無理をしないといけない場面に出くわすことはあります。

しかし、私が監修・執筆協力した『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』でも触れていますが、頑張り続けて、プツンと切れてしまう人も多々います。

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』(あさ出版)から一部抜粋

日本では年々過労死が増えていて、厚生労働省によると2015年に過労死・過労自殺した人の数は482人に上ります。また、過労死までに至らなくても、心身の不調により休職や退職に追い込まれる人が少なからず存在しているというのが医師としての私の見解です。

では、仕事で頑張ることは大切だけれど、いったいどこまで頑張り続ければいいのでしょうか。

この質問に対しては、

「月平均80時間以上残業をして頑張ることはやめてください」

と答えるしかありません。残業時間月80時間以上が続くと過労死のリスクが高まるといわれているからです。しかし、人間には個体差がありますし、職場によって受けるストレスは変わってきますので、100時間残業しても平気な人もいれば、80時間以下の残業時間でも、心や体を壊す人もいます。

つまり、働いている時間だけでは「頑張りすぎ」なのか「まだ頑張れる」のか、判断がつきにくいのです。

おそらく「どこまで頑張ればいいのか」という疑問は具体的な労働時間を聞きたいのではなく、「このまま無理して頑張り続けて大丈夫か」という不安からくるものでしょう。

そこで、頑張り続けてうまくいく人と、プツンと切れてしまう人には、どのような差があるかを考えてみましょう。次の2つがポイントです。

(1)「頑張っていることが自分自身で決めたことかどうか」

(2)「頑張ったことによる成果がわかりやすいか」

たとえばマンガ家さんの中には、たくさんの締め切りを抱えハードスケジュールの中、非常に多くの作品を生み出す人がいます。マンガ家さんは会社員ではないので残業時間という概念はありませんが、休む暇もないくらい働いている人がたくさんいます。

しかし、このような人たちの多くがイキイキとしています。

それはマンガを描くという仕事は、自分が決めたこと(1)だからです。そして頑張ってマンガを描いた結果、単行本の売り上げや読者の声という形で、成果がわかりやすくダイレクトに感じられる(2)からです。

特に今は、SNSなどで読者さんの感想を知ることができるため、より「描いた結果、多くの人が反応してくれる」ことを感じることができます。

また以前、カフェの店員さんや美容師さんなどのような忙しい仕事をしながら楽しくイキイキしている人たちに話を聞く機会がありましたが、「昔からやりたかった仕事ですし、お客さんが喜んでいるところを見るのが楽しい」という答えが多く返ってきました。

この人たちの仕事にも(1)「自分で決めたこと」、(2)「それによる成果が分かりやすい」の2つの条件を満たしています。

「自分で決めず」「成果がわかりにくい」仕事は要注意

逆に(1)と(2)が当てはまらず長時間労働を強いられている場合は注意が必要です。この状態で頑張り続けると精神的に大きなストレスを受けることになります。

たとえるなら、筋トレをしたくもないのに、無理やり毎日重いバーベルを持ち上げさせられている状態が続くことになります。

皆さんが今の仕事で、「どこまで頑張ればいいんだろう」と不安になったときは、その仕事が、

「自分で決めたことかどうか」

「それによる成果がわかりやすいか」

をあらためて意識し、もし当てはまらなければ、まずは自分が決めた仕事になるように、行動を変えていきましょう。

行動を少しずつ変えてみることが大切

「そんなこと言っても、すぐに転職なんかできないし、自分の仕事には、そんな余地はない。ただ毎日コピーを取らされるだけだ」

と思うかもしれません。

しかしそのような人でも、

「コピーを1枚5秒で取れるようにタイムトライアルをしてみる」

「資料を留めるホチキスを、できるかぎりキレイに留めてみよう」

など、「自分なりの工夫や変化」を持たせることはできるのではないでしょうか。実はこれだけでも気持ちのうえでは「自分で決めた仕事」(1)になるのです。

また自分で少しでも仕事への取り組み方を変えることで、相手の反応も変わってきます。すると「仕事の成果」(2)が感じられるので、精神状態が変わってきます。

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

もちろん、自分の仕事で成果を感じている人でも、無理をして体や心を壊すこともあるので、「無理をしすぎないこと」「自分はどこまで無理をしても大丈夫かをきちんと把握すること」は大切です。

自分が頑張れる範囲を把握したうえで「自分の仕事」に切り替え、自分なりの「頑張り方」を見つけることができれば、ベストでしょう。

4月は新入社員が入ってきたり、異動などで職場の環境が変わったりするので、自分の行動を変えていくチャンスの時期になります。自分の「頑張り方」を見つけるために、まずは「自分の決めた仕事」になるように行動を少しずつ変えていってみるとよいでしょう。

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