翅 (はね) wing

翅 (はね)
wing

多くの昆虫の成虫には翅が4枚(中・後胸部に各1対)ある。体壁の背側部が左右に伸長してできたものであるが,一般に薄い膜質で,その中には筋肉がなく,気管から変化した脈が走っている。古生代に生息した原始昆虫のなかには前胸も伸長しているものがあるが,翅は広げたままで,滑空できる程度であった。その後,しだいに前翅(ぜんし)・後翅分化が起こり,たたみこめるようになり,飛翔(ひしよう)能力を獲得することによって生活圏や分布を広げ,昆虫類の現在の繁栄をもたらした。現存の無翅昆虫のなかでも,個体発生のある時期(ノミではさなぎ期)には小さい翅状突起がみられる。甲虫目(鞘翅(しようし)目)では前翅が硬化して翅鞘,直翅目(バッタ類)ではやや硬化して覆翅,半翅目(カメムシ類)では基半部だけが硬化して半翅鞘となる。双翅目(ハエ類)では後翅が平均棍となり,飛行中の平衡を保つのに役だつ。トンボやバッタは前翅・後翅を別々に,チョウハチは同時にはばたく。

古生代(読み)コセイダイ(その他表記)Paleozoic era

地質時代(読み)チシツジダイ(その他表記)geological age

地球に地殻が形成されてからのちの時代。主に海生動物の進化に基づいて先カンブリア時代古生代中生代新生代に大別され、各代は紀・世などに細分される。地質年代。
[補説]地質時代の区分

新生代 第四紀完新世更新世
新第三紀鮮新世中新世
古第三紀漸新世始新世暁新世
中生代 白亜紀
ジュラ紀
三畳紀
古生代 ペルム紀
石炭紀
デボン紀
シルル紀
オルドビス紀
カンブリア紀
先カンブリア時代
原生代始生代

 

昆虫の起源・進化の過程を解説~鱗翅目(チョウ目)はどうやって進化した?~ | 蝶と昆虫のWEBメディア

 

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