米銀29位・シグネチャー銀行も破綻 預金全額保護
【ニューヨーク=竹内弘文】ニューヨーク州金融監督当局は12日、同州地盤の米銀シグネチャー・バンクの事業を同日付で停止したと発表した。10日に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続く破綻となる。資産規模で全米29位のシグネチャー・バンクは米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入り、預金は全額保護される。
シグネチャー・バンクは暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引で知られ、資産規模は2022年末時点で約1103億6000万ドル、預金は約885億9000万ドルあった。仮想通貨関連の取引が多かったシルバーゲート銀行の自主清算発表やSVB破綻を受けて、シグネチャー・バンクの信用不安も高まり預金流出が加速していたようだ。
財務省や米連邦準備理事会(FRB)、FDICは12日、シグネチャー・バンクの無秩序な破綻は金融システムを揺るがすシステミックリスクに該当するとみて、預金全額を保護する例外措置をとると発表した。預金保険の対象外の預金についても預金者に返還される。