第7回 自己過程
第7回 自己過程
自己は静的ではなく、社会のなかで動的に構成されていくである。そこで、自己をプロセス(過程)としてとらえ、自己に注目したり、表出したり、制御したりする段階について考えていく。これらの段階は、再帰的に自己に影響を与え、それにより自己はまた変容をしていく。
【キーワード】
自覚状態、私的自己意識、公的自己意識、自己開示、自己呈示、自己制御
1.自己への注目
(1)プロセス(過程)としての「自己」
中村(1990)は、自己を
社会的過程の中で生じ、機能する。あるいは社会的文脈のなかで構造化していく
そのプロセスを4つの段階に分けている。
(2)自覚状態
ウィリアム・ジェームス
私が何かを考えているときでも、私はそれと同時にいつも私自身、私の人格的存在を多少とも自覚している。また同時にそれを自覚しているのも私である。
と、自己の二重性を指摘している。
自覚状態:私たちの注意が外部環境ではなく、自分自身に向けられている状態を社会心理学て゜は客体的自覚もしくは、単に自覚状態という。
客体的自覚理論
(3)自己意識特性
公的自己意識
私的自己意識
2.自己の表出:自己開示
特に見返りを期待することもなく、自分のことをありのままに相手に打ち明けようとするもの
(1)自己開示の機能
(a)感情の表出
(b)自己の明確化
(c)社会的妥当性
(d)関係性の発展
(e)社会的コントロール
(2)自己開示の返報性
3.自己の表出:自己呈示
(1)自己呈示の方略
(a)取り入り
(b)自己宣伝
(c)示範
(d)威嚇
(e)哀願
(2)自己呈示の機能
(3)セルフ・ハンディキャッピング
防衛的な自己呈示とも言われる
(4)自己提示の内在化
4.自己制御
(1)制御焦点理論
(2)自己制御の逆説的効果と認知資源