第7回 母集団と標本
第7回 母集団と標本
推測統計学の基礎について解説する。そのために母集団と標本、確率など、推測統計学を理解するために必要な用語や数学的な概念の定義を理解することを目指す。また、標本抽出の考え方から、母集団の性質を標本から推測することの基本について学ぶ。
【キーワード】
推測統計学、母集団、標本、確率、確率変数、確率分布、無作為抽出、標本統計量、標本分布
7.1 推測統計学とは
7.2 確率と確率変数
7.3 推測統計学の考え方
7.1 推測統計学とは
7.1.1 記述統計学から推測統計学
心理学て゜は、人一般の行動のメカニズムを知ることが目的。
7.1.2 母集団と標本
母集団(population):知りたい対象の集団のこと (心理学では、知りたい変数の集まり)
標本またはサンプル(sample):調査や実験でデータを得るために選ばれた集団
標本抽出(sampling):母集団から標本をとりだすこと
7.2 確率と確率変数
7.2.1 確率
不確実なこと:日常生活には不確実なことはあふれている。
確率とは:事象が生じる不確実さを数量化したもの(0〜1の範囲をとる)
事象(evnt):一つの結果が生じる事象のことを根元事象という。複数の結果の組み合わせの事象を複合事象という。
排反(同時に起こりえない)な事象:確率の和
独立(それぞれがまったく無関係)な事象:確率の積
経験的確率
7.2.2 確率変数と確率分布
確率変数(random variable):根元事象に数値を割り当てたもの
確率変数の実数値:実際に生じた事象に対応した数値のこと
確率分布(probability distribution):確率変数の実現値それぞれの生じやすさを確率で表したもの、あるいは、実現値を与えると確率を返すような関数のこと
単純無作為抽出(simple random sampling):母集団からすべての対象が等確率で標本として選ばれる方法
離散型確率変数、連続型確率変数
7.3 推測統計学の考え方
7.3.1 標本統計量
母集団分布(population distribution):母集団からの標本抽出を確率分布とみなしたとき
標本平均、母平均:
標本分散、母分散:
標本統計量、母数:標本から計算された記述統計量、母集団の統計量(性質)
標本統計量の実数値
7.3.1 標本分布
母集団分布がわかっているとき:標本分布がどういう分布になるかは数学的に導くことができる。母集団が0と1しかない場合には、二項分布となる。
母集団分布がわかっていないとき:標本サイズが十分大きい場合に標本分布が正規分布というよく知られた確率分布に収束する。
復元抽出
7.1 推測統計学とは
・母集団から標本を得るという発想
・標本から母集団の性質を推測する
7.2 確率と確率変数
・データを確率変数とみなすことで、母集団からの標本抽出を数学的に扱いやすくする
7.3 推測統計学の考え方
・標本統計量は確率的に変動する
・標本分布は、標本統計量がとりうる確率を表したもの
・標本分布は標本サイズが大きいと幅が狭くなる