第7回 レスポンデント条件づけ
第7回 レスポンデント条件づけ
(1)連合および随伴性について理解する。
(2)レスポンデント条件づけの実験手続きについて理解する。
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「レスポンデント条件付け」は、誘発刺激が強い恐怖や不安といった情動反応を引き起こすものであれば、時には一回でも成り立ちます。 犬に突然咬みつかれかけて非常に怖い経験をした場合、その犬ではないとわかっていてもすべての犬に近づくと動悸が激しくなるという事態も「レスポンデント条件付け」です。
1.連合という考え方
連合学習 (associative learning)
「連合とは、何かと何かとが関連する、結びつくことである。」
環境と行動とは連合している。
刺激と反応とは連合している。
2.随伴性という概念
●随伴性 : 操作的定義として
随伴性 contingency 「複数の事象間の関係」
反応:刺激の随伴性 → オペランド条件づけ
刺激:反応:刺激の随伴性 → 弁別オペランド条件づけ
反応:反応の随伴性 → ある先行反応に別の後続反応が随伴する操作を行う
3.「パブロフのイヌ」の実験
レスポンデント条件づけ(respondent conditioning)、古典的条件づけ、パブロフ型条件づけは、生理学者パブロフによって発見され、条件反射conditioning reflexとして知られる。
中性刺激が条件刺激に変わり、無条件反応が条件反応に変わった。
条件刺激が条件反応を誘発した。
elicit
4.ワトソンの恐怖条件づけ
古典的行動主義 classical behaviorism
5.味覚嫌悪学習
ガルシア効果、味覚嫌悪条件づけ taste-aversion conditioning
連合選択性 selective associability
「パブロフのイヌ」実験について、問題点がないか検討してみよう。たとえば、本文では、「もしも、餌を見ただけで、唾液分泌反応が起こることが観察された場合には、そのイヌはすでに条件づけがなされたということになり、本実験の被験体としては妥当ではない、ということになる」と指摘したが、その理由を考えてみよう。これ以外にも、問題点がないか検討してみよう。
「もしも、餌を見ただけで、唾液分泌反応が起こることが観察された場合には、そのイヌはすでに条件づけがなされたということになり、本実験の被験体としては妥当ではない、ということになる」その理由については、本来なら、通常のイヌは、食物としての餌を与え、餌を食べるという行動において、唾液分泌反応が見られる。唾液は、餌を咀嚼することにより、その刺激が脳に伝わり消化液として分泌される。食物を口で咀嚼する前に、唾液が分泌反応が起こるというのは、通常の唾液分泌反応が測定できないことである。そのような状態が見られるのは、そのイヌの空腹状態の程度にもあると思われる、この実験に際しては、イヌに餌を与えないで一定のレベルの空腹状態にしておくことが必要とされているが、あまりにも空腹だった場合、餌の匂いだけでも唾液が分泌されるのは想像できる。空腹の一定のレベルが実験の被験体として同一となることが前提である。しかし、それを数値で計測するのは、難しいと思われる、食事のあと、何時間経過した状態の被験体としても、その食事の量と質により差が出てしまうし、また、被検体の体格、消化能力、体調にも影響すると考えられる。実験のたびに、同一の空腹状態にすることが大変むずかしいものと考えられる。
空腹状態ではあるが、餌を見ただけでは唾液が分泌しない体の空腹でなければならない。という状態をどのように保つかが問題となるだろう。