第6回 幼児期の発達:言葉と認知
第6回 幼児期の発達:言葉と認知
幼児期は、表象や概念、言葉の発達が著しい。語彙や文法だけでなく、コミュニケーションスキルも向上する。時間認識が芽生え、記憶の仕方も変わる。こうした幼児期の言葉と認知の発達について解説する。
【キーワード】
語彙爆発、外言と内言、前操作期、心の理論、自伝的記憶、メタ記憶、実行機能
1.言葉の発達
(1)初期の言葉の発達
初語、オノマトペ(擬声音)、幼児語
(2)語彙爆発と多語文へ
プラトー(新単語を発しない時期)
語彙爆発
二語発話(統語結合発話)
(3)発話の機能:コミュニケーションと内言の発達
足場かけ(scaffdding)
2.心的活動と心の理解
(1)前操作期 ー 表象の芽生え
前操作期2〜7歳
・前概念的思考段階2〜4歳
・直感的思考段階5〜7歳
(2)内面への意識と心の理論
内面への意識や認識の発達過程については、心的用語の学習過程が参考となる。
心的用語とは、感覚や感情、認知に関わる言葉のことをいう。
感覚語:「熱い」「痛い」
感情語:「うれしい」「楽しい」
認知語:「覚える」「思う」「考える」
他者の心の状況について推測できることを「心の理論を持っている」という。
疑信念過大:子どもが心の理論を持つようになっているか否かを確かめる課題
3.思い出の形成と振り返りの始まり ー 自己の認知の内面化
(1)幼児期初期の記憶 ー 延滞模倣
即時模倣
延滞模倣
(2)思い出を振り返る ー 自伝的記憶の発達
エピソード記憶
自伝的記憶
自己認識(時間的拡張自己)
(3)メタ記憶や実行機能の発達
メタ記憶
モニタリング
コントロール
実行機能