第5回 考古資料による空間分析

第5回 考古資料による空間分析
1 空間分析の方法
2 分布の背景
3 分布圏と文化圏
【キーワード】
分布、空間分析、交換、交易、流通、交流、分布圏、文化圏


1.考古資料の空間分析方法

2.分布の背景に対する研究の紹介

3.考古資料の分布が示す意味

4.分布論の問題点


1.空間分析の方法

(1)ミクロ分析とマクロ分析

遺跡:遺構から成り立つ人類が残した生活の痕跡(不動産)

遺構:遺跡に残された施設の痕跡(不動産)

遺物:人類が残したモノ資料(動産)

イギリスのプロセス考古学者:デビット・クラーク

ミクロ分析:遺構の中における遺物のあり方の分析

セミ・ミクロ分析:遺跡の中における遺物や遺構のあり方の分析

マクロ分析:遺跡間の遺物や遺構のあり方の分析

(2)発掘調査と民族考古学による分析

原位置論(in situ):

愛知県田原市保美貝塚の盤状集骨:保美貝塚で連なる盤状集骨墓出土2012/08/05
国内での出土例が少ない「盤状集骨墓」とみられる縄文時代の墓が見つかった田原市保美町の保美貝塚で、盤状集骨墓が2つ連なっていることが、同貝塚発掘調査団(代表=山田康弘国立歴史民俗博物館准教授)の調査で分かった。

パンスヴァン遺跡:去の人類の周辺環境への生態的かかわり方を明らかにしようとする傾向が、最近の先史考古学研究に強くうかがえる。そこでは広い範囲を平面的に発掘する調査が採用され、個々の遺物の出土位置を正確に記録することが試みられている。こうした研究の中で著しい成果を挙げた例をフランスのパンスヴァン遺跡における分析に認めることができる。しかしこの傾向の研究は始められてまだ日は浅く、人類の長い過去を通しての比較を試みるには至っていない。同時的もしくは非常に短期間の居住があった遺跡での分析に研究例が限られているのが現状である。

鹿児島県霧島市上野原遺跡:全点ドット方式

(3)自然科学的分析

在来系土器と外来系土器

1,000km西に運ばれた土器

亀ヶ岡式土器 → 福岡市雀居遺跡

青森県名川町内出土土器 → 高知県土佐市居徳遺跡出土土器

胎土分析

・蛍光X線分析法 ヘンリー・モーズリー

鉛同位体比分析

2.分布の背景

(1)土器の移動とその背景

経済の発展段階説 コリン・レンフリューによる交換の進化モデル

福岡市今山遺跡

福岡県飯塚市立岩遺跡

(3)交易と首長の役割

甕棺墓

3.分布圏と文化圏

(1)分布図から何を読み取るか

三角緑(ぶち)神獣鏡

1980年以降 景観考古学

GISにる遺跡と周辺の地形

ティーセン多角形-ボロノイ分割による縄文中期拠点集落の分布図

(2)分布圏と文化圏

東アジアにおける石包丁の分布図

漢鏡

方格規矩四神鏡 (ほうかくきくししんきょう)

画文帯神獣鏡(奈良県天神山古墳出土)がもんたいしんじゅうきょう(ならけんてんじんやまこふんしゅつど)

(3)文化圏説批判とコッシナの考古学

ドイツの考古学者 グスタフ・コッシナ

 

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