第5回 うつ病と双極性障害
第5回 うつ病と双極性障害
今日の代表的な精神疾患である気分の障害、すなわちうつ病と双極性障害について、その症状・経過・診断・治療について学ぶ。両者の異同について正しく理解したうえで、抗うつ薬や気分安定薬などによる薬物療法の概略と治療原則を知る。
【キーワード】
うつ病、双極性障害、抗うつ薬、気分安定薬、心理教育
1.うつ病と双極性障害
(1)うつ病という病気
躁病・・・躁病(そうびょう、mania)は、気分が異常に高揚し、夜も眠らずに、支離滅裂な言動を発したり、危険を顧みなくなるような状態になる期間(病相)。 19世紀の診断分類の登場時から躁うつ病の、あるいは現行では双極I型障害の、躁病の期間である。
「罹(かか)った者でないとわからない」
(2)クレペリンのうつ病とDSMのうつ病
寛解後の機能低下を残さないものを躁鬱病とした。
(3)DSM-4からDSM-5へ—-うつ病と双極性障害の関係
2.うつ病
(1)抑うつエピソードと症例
(2)うつ病の症状と診断
(3)治療と経過
希死念慮(きし‐ねんりょ)死にたいと願うこと。[補説]自殺願望と同義ともされるが、疾病や人間関係などの解決しがたい問題から逃れるために死を選択しようとする状態を「自殺願望」、具体的な理由はないが漠然と死を願う状態を「希死念慮」と使い分けることがある。
3.双極性障害
(1)躁病エピソード
(2)症状と診断
観念奔逸(かんねん・ほんいつ)・・・観念奔逸 思考プロセスが異常に亢進し、さまざまな考えがとめどなく湧いてくる状態。 早口になって、駄洒落や語呂合わせも頻出する。 表面的には話の道筋にも脈絡があるが、目的からは逸脱している。
(3)双極性障害の治療
易怒性(いどせい、Irritability)・・・イライラとは、一般的には物事が思う通りにならなかったり、不快なことがあったりして神経が高ぶり、いらだっている状態を指します。 医学的には、ささいなことで不機嫌になることを「易刺激性(いしげきせい)」、怒りっぽいことを「易怒性(いどせい)」といいます。