第3回 共感と理解
心理カウンセリング序説(’21)
-心理学的支援法-
Introduction to Psychological Counseling (’21)
主任講師名:大山 泰宏(放送大学教授)
【講義概要】
この授業では、臨床心理学におけるカウンセリング、心理療法を中心とした、心理学的な相談・支援に関する基礎とその展開について講じる。対象者に対する心理学的な支援の中核にはカウンセリングがありつつも、それは、支援の形や対象となる領域によって、さまざまな展開をみせている。そこでは、どのような専門性が求められ、どのような学びをおこなっていけばいいのだろうか。こうしたテーマについて包括的に論じる。
なお本科目は,公認心理師学部カリキュラムのうち「心理学的支援法」に対応する。
【授業の目標】
・カウンセリングの基礎について学ぶ
・心理学的支援のさまざまな技法の基礎と特徴、その適用範囲について学ぶ
・心理学的支援をおこなううえでの心構えや責務について学ぶ
【履修上の留意点】
この科目は、公認心理師の学部カリキュラム「心理学的支援法」に対応しています。他の関連科目も積極的に履修してください。
第3回 共感と理解
カウンセリングにおいては、クライアントのあり方に共感することが大切である。共感とはどのような事態であるのか。そしてそれはどのように形成されるのか、また、そのためのセラピストの心構えはどのよなものであるべきなのだろうか。また、共感と深く関連している理解とはどのようなものであるのかについて講じる。
【キーワード】
共鳴、共感、ラポール、治療同盟、ロジャーズの三原則、中立性と匿名性、共視、理解、洞察
1.共感
(1)共鳴という事態
(2)共鳴から共感へ
フッサール 共感 共感と 「今ここ」の限界。あるいはフッサールについて – note
(3)共視
浮世絵の親子のように、同じものを見て喜びを共有する。
浮世絵のこの母子の光景は西洋画には無い光景という。
三項関係・共同注視
2.セラピストの態度
(1)ラポールと治療同盟
(2)ロジャーズの三原則
ロジャーズの3原則とは、アメリカの心理学者であるカール・ロジャーズが提唱した「傾聴」の3つの構成要素を表すものです。 その傾聴の3要素とは、「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」です。
(3)中立性と匿名性
3.理解
(1)理解の難しさ
「問いかけ」
コンプレックス・・・・・その人の心の中の無意識的ないろいろな思いや考えなどが絡まった
(2)理解から洞察へ
精神分析家のビオンは「記憶なく、欲望なく、理解なく」
ウィルフレッド・ビオン – Wikipedia
精神分析体験:ビオンの宇宙―対象関係論を学ぶ立志篇