第2回 コミュニケーションと傾聴−表現の多様な位相−

心理カウンセリング序説(’21)

-心理学的支援法-

Introduction to Psychological Counseling (’21)

主任講師名:大山 泰宏(放送大学教授)

【講義概要】
この授業では、臨床心理学におけるカウンセリング、心理療法を中心とした、心理学的な相談・支援に関する基礎とその展開について講じる。対象者に対する心理学的な支援の中核にはカウンセリングがありつつも、それは、支援の形や対象となる領域によって、さまざまな展開をみせている。そこでは、どのような専門性が求められ、どのような学びをおこなっていけばいいのだろうか。こうしたテーマについて包括的に論じる。
なお本科目は,公認心理師学部カリキュラムのうち「心理学的支援法」に対応する。

【授業の目標】
・カウンセリングの基礎について学ぶ
・心理学的支援のさまざまな技法の基礎と特徴、その適用範囲について学ぶ
・心理学的支援をおこなううえでの心構えや責務について学ぶ

【履修上の留意点】
この科目は、公認心理師の学部カリキュラム「心理学的支援法」に対応しています。他の関連科目も積極的に履修してください。

第2回 コミュニケーションと傾聴−表現の多様な位相−

カウンセリングの基本は、クライアントが身体レベルから言語レベルまで、さまざまな位相で「表現」することを聴き取って、適切なコミュニケーションを展開することである。他者と出会って、共に居て話を聴くとき、どのようなことがセラピストに生じているのか、そして支援者はどんなことに留意すべきなのかについて講じる。

【キーワード】
傾聴、表現の位相、非言語的コミュニケーション、身体、共鳴、非言語的コミュニケーション


1.表現の多相性

表現・・・・・「私たちの生命の営みが、関係の中で顕われ出でて、解釈され理解されるもの」

(1)身体、行動の位相での表現

表現の位相

1)身体レベル

2)行動レベル

3)感情レベル

4)イメージレベル

5)象徴レベル

6)言語レベル

7)ナラティブレベル

位相・・・・・変化や発達の段階、移り変わって変化していくもののあり方

表現の多様な位相・・・・・表現はいろいろと移り変わっていって、変遷し、発達していくが、そのひとつひとつの様々なありようの階層

(2)感情の位相での表現

(3)スターンの自己感との関連から

スターン(Stern, D.N.)の自己感の発達 / Stern, D.N. The development of a sense of self

Stern, Daniel

アメリカ出身の精神分析家。乳児の精神発達を自己感の観点から展開する。また自己感の発達に対する母親の情動調律の重要性を指摘した。

心に潜むブラックな感情 §1 人の感情形成の再確認 

2.イメージの位相と象徴の位相

(1)イメージの位相

「舌だし模倣」・循環模倣・即時模倣

自閉スペクトラム症の子供の電車遊び

(2)象徴の位相

3.言語以降での表現の位相

(1)言語レベルの表現

(2)位相をつなぐということ

 

 

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