第15回 精神医学の過去・現在・未来
第15回 精神医学の過去・現在・未来
わが国と世界における精神医学の歴史を展望し、学習のまとめとする。科学技術は飛躍的に発展したが、精神医学は未解決の難問を多く抱えている。とりわけ精神障害者に対する人道的処遇の歴史は浅く、スティグマ克服が今後の課題であることを銘記したい。
【キーワード】
アニミズム、科学的精神医学、身体主義と心理主義、スティグマ、ケネディ教書
1.精神疾患と歴史状況
ヒポクラテス 憂鬱病
アルコール依存症 オランダ イスラム社会にはアルコール問題は存在しない。
ケニア AN(anorexia nervosa:神経症痩せ症)がほとんど見られない。
PTSD:心的外傷後ストレス障害 戦争神経症、懸隔がある。
ストレス関連疾患 インターネット依存、ゲーム依存
2.精神医学の歴史
(1) ヒボクラテス
てんかん
現象の背後に霊(anima) アニミズム(animism)
(2) 近代精神医学の誕生と興隆
(3) 精神医学の20世紀
クロルプロマジン
(4) 身体主義と心理主義
3.精神医療の近現代史
(1) ビネルやピアーズ
京都の岩倉
ベルギーのゲール
フランスのピネル
アメリカのビアーズ
(2) 日本の事情
a.精神病者監護法
b.精神衛生法とその改正
c.精神保健法・精神保健福祉法
(3) スティグマ克服〜未来への課題
stigma 「烙印」 スティグマ スティグマとは? スティグマは、日本語の「差別」や「偏見」などに対応しています。 具体的には、「精神疾患など個人の持つ特徴に対して、周囲から否定的な意味づけをされ、不当な扱いことをうけること」です。
ライシャワー大使刺傷事件 「危険な精神異常者」 エドウィン・O・ライシャワー ライシャワー事件 –
一九六四年の、駐日大使が大使館前で統合失調症者にナイフで刺され重傷を負ったライシャワー事件がきっかけだったとされる
ケネディ教書 教養で読む英語(オンライン科目) 精神病・精神薄弱に関するケネディ大統領教書
■精神病・精神薄弱に関するケネディ大統領教書
(Message from the President of the United States relative to Mental Illness and Mental Retardation)
野田正彰 2002:263-276より引用