第13回 神経系-2
人体の構造と機能(’22)-人体の構造と機能及び疾病A-
Structure and Function of the Human Body (’22)
主任講師名:坂井 建雄(順天堂大学特任教授)、岡田 隆夫(順天堂大学特任教授)
【講義概要】
私たちの健康は正常な構造が正常に機能して初めて可能となる。看護師などの医療職に就くためには私たちの身体の正常な構造を知り、それがどのように機能しているかを理解しておく必要がある。私たちの身体の中には胃や腸、心臓、筋肉等々さまざまな器官・組織があるが、これらは互いに独立して働いているわけではなく、筋運動をすると心拍が速くなることからもわかるように、相互に密接に関連しながら機能している。このような機能の調節をも含めて、トータルとしての人体の構造と機能を理解することを目標とする。
【授業の目標】
人体の構造をマクロ・ミクロの両面から系統的に学ぶ。
人体の各器官系の機能を調節系も含めて系統的に学ぶ。
【履修上の留意点】
限られた時間内で全てを講義することは不可能であり、教科書による自己学習が必須である。予習をしてあることを前提として授業を展開する。疑問の点、わからない点は積極的に質問するよう、心がけてほしい。
「動物の科学」「生命分子と細胞の科学」(いずれも学部開設科目)を学んでおくと理解しやすい。また、発展・応用科目としての「健康長寿のためのスポートロジー」の受講もお薦めする。
※この科目の通信指導問題の解答および提出はWebのみとなります。通信指導問題冊子は送付されませんのでご注意ください。
第13回 神経系-2
脊髄と脳の各部位の構造と機能を解説する。
【キーワード】
脊髄、脳幹、小脳、視床と視床下部、大脳
執筆担当講師名:岡田 隆夫(順天堂大学特任教授)
坂井 建雄(順天堂大学特任教授)
放送担当講師名:岡田 隆夫(順天堂大学特任教授)
問題 13 呼吸中枢がある部位を①~⑤のうちから一つ選べ。
① 脊 髄
② 脳 幹
③ 小 脳
④ 視床下部
⑤ 大 脳
フィードバック 正解は②です。
【解説/コメント】
①脊髄には排尿中枢や排便中枢が存在します。
②呼吸中枢のみならず、心臓促進中枢と心臓抑制中枢、血管運動中枢、嚥下中枢、消化液の分泌と蠕動運動の中枢など、生命維持に直結する中枢はほとんどすべて延髄・橋・中脳からなる脳幹に存在します。
③小脳は姿勢の維持や協調運動の調節のために働いています。
④視床下部には体温調節中枢や摂食中枢、満腹中枢などがあり、自律神経系と内分泌系との接点とも言える場所です。
⑤大脳は思考や記憶など高次の精神機能を司る場所です。
問題 14 運動野がある部位を①~⑤のうちから一つ選べ。
① 前頭葉 正解です。
② 頭頂葉
③ 側頭葉
④ 後頭葉
⑤ 辺縁葉
フィードバック正解は①です。
【解説/コメント】
①の前頭葉は運動野、②の頭頂葉は体性感覚、③の側頭葉は聴覚と記憶、④の後頭葉は視覚、⑤の辺縁葉は本能行動と覚えておけばよいでしょう。