第11回 発達障害
第11回 発達障害
発達障害の概念を理解し、自閉スペクトラム症やADHDなど主な発達障害の特徴と療育の原則を学ぶ。また発達期の諸問題に対する対応の原則を学ぶ。
【キーワード】
発達障害、環境調整、社会的障壁、自閉スペクトラム症、ADHD、共同作業、成功体験
1.発達障害の概要
(1) 発達障害の重要性
人口の一割、社会人になって表面化、不適切な対応が様々な二次障害
(2)発達障害をめぐる誤解
生まれつきの中枢神経の機能障害が原因
(3) 発達障害=発達凸凹+不適応
どこから障害として線を引くかは明瞭ではない
(4)不適応をもたらす社会的障害
発達障害者支援法
(5) 6つの発達障害
「発達障害はミックスジュース」
2.対応のコツ
(1) 知的発達症(知的障害)がある子どもへの対応
(2) 運動発達遅滞がある子どもへの対応
(3) 自閉スペクトラム症がある子どもへの対応
(4) 注意欠如・多動症がある子どもへの対応
ADHDは「Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder」の略
(5) 限局性学習症がある子どもへの対応
(6) 発達性協調運動症がある子どもへの対応
(7) 大人の発達障害への対応
(8) 二次障害への対応
(9) 発達性トラウマ障害
(10) 保護者への支援
3.支援の要諦
(1) 共同作業による成功体験の蓄積
「当事者性の育成」
(2) 当事者能力の向上と支援の自給自足
セルフエスティーム 日本語に訳すと、「自尊心」または「自尊感情」です。 自尊心や自尊感情というと、一般的には、自惚れや傲慢と考えられがちですが、心理学上の「自尊心」「自尊感情」はそれとは全く異なる意味で用いられています。 つまり、自分自身を大切に思う感情を意味します。
セルフエフィカシー(Self-Efficacy)とは?
セルフエスティームに似た概念として、セルフエフィカシーという言葉があります。セルフエフィカシーとは、心理学者のアルバート・バンデューラが1977年に提唱した心理学の概念で、「自己効力感」と訳されています。
バンデューラによれば、セルフエフィカシーとは、「自分がある状況において、目標とする行動をどの程度成功裏に達成することができるかについての見込み感(*1/*2)」であり、「セルフエフィカシーほど人々の日々の生活で影響力のある重要なものはおそらく他にないだろう(*3)」と述べています。
また、セルフエフィカシーは自然発生的に生じてくるものではなく、以下の4つの方法によって獲得されるものだとバンデューラは述べています。(*4)
- 振る舞いを実際に行い、成功体験を持つこと(遂行行動の達成)
- 他人の行動を観察すること(代理的経験)
- 自己教科や他者からの説得的な暗示(言語的説得)
- 生理的な反応の変化を体験してみること(情動的喚起)
そして、セルフエフィカシーは、ある特定の場面において、当面の(一時的な)行動選択に直接的な影響を及ぼすだけでなく、そこで選択した行動遂行が長期的に影響を及ぼしたり、一般的な行動傾向にまで影響を及ぼすとされています。(*4)