第11回 ユングによる無意識の探求―集合的無意識の発見
一回目 2023/12/18
二回目 2024/01/21
ユングは、クライエントの夢や幻想の理解において、神話や昔話のモティーフを根拠として用いた。それらのモティーフの生成に関わる集合的無意識に存在するイメージの枠組みは元型と名付けられた。時代や地域を超越して私たちの心に共有される集合的無意識には、多くの元型が存在しており、心の変容において重要な役割を果たしている。
【キーワード】
夢、ヴィジョン、神話、昔話、集合的無意識、元型
1.古代的な思考の源としての集合的無意識
「思考にはふたつの種類がある。一つは方向づけられた思考と、もう一つは夢想あるいは空想的思考である。」(Jung 1952)
古代的な思考、空想的思考の源である集合的無意識の心理的役割の探求がある。
2.「元型」について
「原像(Primordial images)」ヤーコブ・ブルクハルト⇒スイスの歴史家、文化史家、文明史家[2]。代表作『イタリア・ルネサンスの文化』で「ルネサンス」という言葉を広めたことで著名。
昔からの人間の表象作用の遺伝的な諸可能性というのがその意味だ。
パラノイヤ性分裂病 ⇒妄想性障害(≒パラノイア)は、妄想を主とし、それ以外の精神症状をほとんど認めない疾患です。
統合失調症というと、幻覚や妄想を症状とするもので、一般的に不可解な病気とされています。
元型とは、意識の手が加わる以前の心の内容が形成される際の、軸あるいは核となる「形式」を指すと考えられたのである。
3.夢の分析からとらえる「元型」について
夢が意識に対して補償の機能を有するものであり、心の均衡をめざしており、心のシステム自体の自己のコントロール機能である。また一連の夢の系列においては、そこに自然発生的に出現するパーソナリティ自体の発達過程が見いだされると考えられた。
「大きな夢」または意味のある夢は、たいていは運命を決定するような人生の一時期に生じる。
夢を理解するためには神話や伝説、物語において、このモチーフがどのように扱われているかを見ていく必要がある。
4.神話・伝説・昔話に出現する「元型」
「ヴォルスンガ・サガ」→、北ヨーロッパのサガ(伝説物語)である。現在はアイスランド語のものが伝わっており、1260年ごろにアイスランドで書かれたとも、それ以前にノルウェーで書かれたものが翻訳されて残ったともいわれている[1]。ニーベルンゲン伝説がその大元となっている。
「心の形成、変容/永遠なる心の永遠の再創造」が起こっているととらえていたのである。
アストリッドとラファエル 文書係の事件録4 – LIFE-SHIFT (lifeshift.site)