第04回 心のレジリエンスの発達
ストレス状況に対する適応力、すなわちレジリエンシーは、年齢とともにどのように変化・発達していくのだろうか。また、他者との関わりの中で、その力はどのように変化していくのだろうか。近年注目される教育的関わりについても紹介しながら、その変化可能性を考える。
1.レジリエンシーの発達
(1)パーソナリティの発達的変化
ストレスフルな出来事によって傷ついたり、つらい状況に置かれても、そこからスムーズに立ち直り、回復・適応を示しやすい個人の特性をレジリエンシーと呼ぶ
ビッグ・ファイブ・パーソナリティ(Big Five Personality:Costa&McCrrae,1992)
・神経症傾向(Neuroticism)
・外向性(Extraversion)
・開放性(Openness)
・協調性(Agreeableness)
・勤勉性(Conscientiousness)
5つの特性からパーソナリティを捉える
(2)気質と正確
パーソナリティ(Cloninger,1993)
気質:生まれ持った部分
新奇性追求:新しい刺激を求めてどんどん挑戦していく性質
損害回避:不確かなことを恐れて避けようとする性質
報酬依存:社会や他者から褒められることで行動を維持しやすい性質
固執:ひとつのことに粘り強く取り組みやすい性質
性格:発達の中で変化していきやすい部分
自己志向:目的や価値観をもって目標に向かって行動する力
協調:他者に共感し、協力的に行動する力
自己超越:自己を超えたものとの一体感を感じる力
二次元レジリエンス要因尺度と気質ー性格との関連
2.レジリエンスの発達
(1)発達段階とレジリエンシー
エリクソンの心理社会的発達理論における乳児期の発達課題や学齢期の発達課題と対応しているように見える。
(2)レジリエンシーの質的変化
3.教育や介入による変化
(1)レジリエンシーの拡がり
(2)他者との出会いがもたらすもの
①サポート資源となる
②気付きを与えてくれる
③承認し評価してくれる
④お互いに助けになることができる