感情のラベリング

感情のラベリング – ムソムソの心理学用語辞典 (yowatarijyouzu.jp)

感情のラベリングとは

感情のラベリングとは自分の感情を言語化する(言葉で表現する)ことで、ネガティブな感情や出来事に対するストレスを軽減する手法です。

自分が感じている感情を言葉にしたり紙に書いたりして言語化すると、恐怖心や不安を和らげてストレスを軽減することができます。

遊園地のお化け屋敷で「怖い、怖い」と声に出す人は、何も言えずに青ざめている人よりもストレスを軽減できていることになります。

感情のラベリングの効果

感情のラベリングを行うと脳内で以下の反応が起こります。

  • 扁桃体の活動低下 → 感情が抑えられる
  • 前頭前皮質の活動上昇 → 感情のコントロールがうまくいく
  • 自律神経系の活動低下 → 心拍数などを下げる

上記の反応の結果、感情の高ぶりを抑えることができ、感情をコントロールできるようになります。

また、心理的な苦痛も軽減され、行動にも大きな影響を与えます。

たとえば、試験を受ける前にその不安を文章化してから試験に臨むと、試験の成績が向上する効果がありました。

教育への応用

子供は感情をコントロールすることがまだできないので、感情のラベリングによって感情のコントロール方法を教えると良い効果があります。

しかし、子供にはまだ自分の感情を適切に表現できるだけの語彙もないので、親が代弁してあげることで同じ効果を得られます。

たとえば、部活で疲れている子供には「すごく疲れているみたいね」、テストが近づいてきたら「テストが近いから不安ね」と気持ちを代弁してあげましょう。

小さい子供ほど自分の感情を表現できずにかんしゃくを起こしてしまうので、親が代弁することは高い効果があります。

自分の感情を素直に言葉にしてもいいんだと子供が考えるようになれば、徐々に自分で感情を表現するようになり、コントロールもできるようになるでしょう。

ストレス対策はやっぱり「言語化」が最強だった。“自分のキモチ” を言葉にできますか? – STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

実験を行なった研究チームによると、感じていることを具体的に言語化することによって、人間の恐怖心や攻撃性を司る脳の部位である「扁桃体」の活性を抑えられるのだそう。

また、『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』の著者である心理学者のロバート・ビスワス=ディーナー氏も同様の見解を示しています。同氏は実験で、初対面の被験者同士が相互に拒絶し合うドッジボールのようなゲームを行ないました。実験の結果、ゲーム中に自身(被験者)が感じた感情を表現・識別できる人は、扁桃体の活性を抑えることができていたのだとか。

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