快感に殺される…ポテチが止まらない、何度も動画再生してしまう”元凶”は脳から分泌される恐ろしい物質

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、1月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サイトの編集部が紹介する――。

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※写真はイメージです© PRESIDENT Online

本の要約サイト「1月のビジネス書」閲覧数ベスト20

第1位:『ドーパミン中毒』(アンナ・レンブケ著、恩蔵絢子訳、新潮社)

第2位:『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(藤本梨恵子著、かんき出版)

第3位:『言語化の魔力』(樺沢紫苑著、幻冬舎)

第4位:『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』(松下幸之助著、松下政経塾編、PHP研究所)

第5位:『成功する人の仕事のやり方』(ナイジェル・カンバーランド著、高崎拓哉訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

第6位:『感性のある人が習慣にしていること』(SHOWKO著、クロスメディア・パブリッシング)

第7位:『夢をかなえるゾウ0』(水野敬也著、文響社)

第8位:『人を選ぶ技術』(小野壮彦著、フォレスト出版)

第9位:『仕事と勉強にすぐに役立つ「ノート術」大全』(安田修著、日本実業出版社)

第10位:『リーダーは話し方が9割』(永松茂久著、すばる舎)

第11位:『脳の外で考える』(アニー・マーフィー・ポール著、松丸さとみ訳、ダイヤモンド社)

第12位:『[メンタルモンスター]になる。』(長友佑都著、幻冬舎)

第13位:『禅、シンプル生活のすすめ』(枡野俊明著、三笠書房)

第14位:『人生をもっと“快適”にする 急がない練習』(名取芳彦著、大和書房)

第15位:『東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』(西成活裕著、あさ出版)

第16位:『最強の思考法』(橋下徹著、朝日新聞出版)

第17位:『問題発見の教科書』(高岡浩三著、朝日新聞出版)

第18位:『THE FORMAT』(石倉秀明著、サンマーク出版)

第19位:『異能の掛け算』(井上一鷹著、NewsPicksパブリッシング)

第20位:『心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100』(田中弦著、ダイヤモンド社)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2023年1月の閲覧数ランキング

スマホ依存、食べすぎ…犯人はドーパミンだった

1月の第1位は『ドーパミン中毒』でした。

早く寝たいのにSNSをスクロールする手が止まらない。満腹のはずなのに「あと一口」がやめられない。仕事中なのに、次から次へと動画を再生してしまう。つい2枚目のポテトチップスを求める、ゲームをもう1度やってしまう――。

私たちにこうした「やめられなさ」をもたらすのは、快楽を感じたときに脳で分泌される「ドーパミン」という物質です。ドーパミンが放出された結果、脳はさらなる快楽を求めるようになり、依存症へとまっしぐら……と想像してゾッとしたあなたには、“ドーパミン中毒”から脱出する方法を示した本書をおすすめします。

最も手っ取り早いのは「セルフ・バインディング(自分を縛る)」。これは、意志の力に頼るのではなく、自分と対象物の間に壁を築く方法です。

ゲームばかりしてしまうなら、ゲームのコントローラーを捨ててしまう。買い物が大好きなら、クレジットカードを使わないようにする。SNSチェックが止められないなら、1日1回だけアクセスしていいことにする。深夜まで海外ドラマを観てしまうなら、「観ていいのは土曜日だけ」と決める……本書には、衝動的な行動を抑えるためのポイントがいくつも紹介されています。

コロナ禍でフラストレーションが溜まり、イヤな“沼”にハマりそうになっている人にぜひ読んでほしい一冊です。

他者の世界地図(領土)を理解するコミュニケーション

第2位は、『いつもよりラクに生きられる50の習慣』。

本書の著者、藤本梨恵子氏は、喧嘩の絶えない家庭で育ち、親類の家を転々として過ごしました。社会人になって入社した会社では、毎月の残業が130時間以上にのぼり、ストレスまみれの会社員生活を送っていたそうです。

不安だらけの人生、ストレスばかりの仕事、つらい人間関係……そうした状況を好転させてくれたのが「NLP心理学」でした。本書では、NLP心理学をベースとした、ラクに生きられる習慣を50個紹介しています。

そのうちの一つは、相手の価値観を尊重すること。

NLP心理学には、「地図は領土ではない」「他者の世界地図を尊重することはコミュニケーションの基本条件である」という考え方があります。

「地図は領土ではない」は、私たちが認識しているものと現実は同じではないということ。「他者の世界地図を尊重することはコミュニケーションの基本条件である」は、自分の考え(地図)が正しいと思い込まず、相手の価値観(地図)を理解しようということです。

価値観は人それぞれ違うもの。そう理解し、相手の価値観を尊重しようとするだけで、コミュニケーションでモヤモヤを感じる機会が減っていくのではないでしょうか。

モヤモヤの言語化でストレス源が消える

第3位には、『アウトプット大全』などのベストセラーで知られる精神科医、樺沢紫苑氏の『言語化の魔力』がランクインしました。

あなたは、悩みを抱えているとき、まず何をしますか? ショッピングする、ゆっくり寝る、暴飲暴食する……さまざまな方法がありますが、これらは根本的な解決にはなりません。

そこで著者が勧めるのは「言語化」。モヤモヤを言葉にできると、心がスッキリするだけでなく、無意識が意識に変わり、分析したり、対処法を探したりすることができるようになるからです。

最も簡単なのは誰かに相談してみることですが、相談に抵抗があるなら、気心の知れた友人に気持ちを聞いてもらうだけでもOKです。「つらい」「苦しい」と口に出すだけで、心が軽くなり、ストレスとネガティブ感情が抜けていくでしょう。

気持ちを開示できる相手が見つからないなら、ノートとペンを用意して、ストレスを感じた出来事とその時の感情を書き出すだけでも十分です。頭のなかが整理され、対処法に気づけるでしょう。

ちょっとしたモヤモヤが重いストレスに変わる前に、「言語化」の力に頼ってみませんか。

「上司を輝かせ」れば、自分が輝く

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第5位は『成功する人の仕事のやり方』でした。

本書の著者は、エグゼクティブコーチとして多くのプロフェッショナルに接してきたナイジェル・カンバーランド氏。本書では、著者がプロフェッショナルたちから見出した“仕事で成功する50の秘訣(ひけつ)”が紹介されています。

注目したいのは「上司の扱いに習熟する」。あなたの成功の鍵を握っているのは、ほかならぬ上司です。なればこそ、仕事で成功したいなら、上司とうまく付き合うことは不可欠なのです。

では、具体的にどうすればいいのか。最も重要なのは「上司を輝かせること」です。

上司を輝かせるための具体的なアクションとして、「上司の負担を減らす」に挑戦してみましょう。上司が手一杯のとき、助けを申し出るのです。上司が思わず頼りたくなるような部下になれれば、あなたの評価は自ずと上がっていくでしょう。

数々のプロフェッショナルたちに共通する「50の秘訣」が示された本書。新入社員からベテランまで、多くのビジネスパーソンの助けになること間違いなしの一冊です。

感性のある人は家のハンガーの数を減らす

第6位の『感性のある人が習慣にしていること』にもご注目ください。

多くの人が憧れる、「感性のある人」。感性のある人に憧れつつも、「私にはセンスがないから」「感性なんて、特別な人だけが持っているものだろう」と思い込んでいる人もまた多いのではないでしょうか。

しかし、アーティストとして活躍する著者のSHOWKO氏によると、それは誤解です。本書では「感性は日常の習慣によって高める」という信念のもと、感性を高めるための習慣が紹介されています。

その習慣は大きく5種類に分けられます。日常の細部に目を向ける「観察する習慣」、身の回りや自分の心を「整える習慣」、新たな視点からものごとを解釈する「視点を変える習慣」、自分の“好き”を広げる「好奇心を持つ習慣」、そして些細なことでも自覚的に選択する「決める習慣」です。

今日から実践できる「整える習慣」として、家のハンガーの数を減らしてみてはいかがでしょうか。ハンガーの数を決め、「ハンガーが埋まっている場合は、買うのを諦めるか、すでにあるものを代わりに処分する」をマイルールにすると、自然と手持ちのアイテムが減っていき、常に一軍の服だけを身に着けられるようになるでしょう。それが、自分のスタイルを持つことにつながります。

本書のページをめくって、今日からできそうな習慣を見つけてみませんか?

5000人超の精鋭を選抜した人の「人を見る目の磨き方」

最後にご紹介したいのが、第8位の『人を選ぶ技術』。

あなたは「人を見る目」に自信があるでしょうか?

イエスと断言できる人は決して多くないでしょう。「人を見る目」は、学校や新人研修で教えてもらえるようなスキルではないからです。人を見る目がなく、採用やパートナー選びで苦労した経験がある方は決して少なくないでしょう。

本書では、かつて世界最高峰の外資系ヘッドハンティング会社で100社以上、5000人超のエグゼクティブ人材を見てきた著者が「人を見る目の磨き方」を教えてくれます。

最大のポイントは、人間の内面を「4つの階層」で捉えること。地上1階は経験・知識・スキル、地下1階はコンピテンシー(行動特性)、地下2階はポテンシャル、地下3階はソース・オブ・エナジー(エネルギーの源泉)という構成です。

本書では、この4つの階層をじっくり見極め、相手の内面を丸裸にするための具体的な手法が解説されます。採用にかかわる方はもちろん、採用「される」側に立つ人や、友人・パートナー選びで失敗したくない方にとっても必読の一冊です。

今月も、悩みの解決法からノート術、思考法まで、幅広いジャンルの本がランクイン。ほかにも、先月第14位だった『心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100』が第20位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

———- flier編集部 本の要約サイトflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。 ———-

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