バーナード・L・マドフ

史上最大のネズミ講詐欺師 マドフ受刑者死去

バーナード・マドフ: ウォール街の詐欺師 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

【ニューヨーク=伴百江】史上最大のネズミ講詐欺とされる事件の首謀者で元ナスダック・ストック・マーケット会長のバーナード・マドフ受刑者が米ノースカロライナ州の連邦刑務所で死去した。82歳だった。事件は日本の金融機関も含む米国内外の著名投資家を巻き込み、被害総額は含み損ベースで650億ドル(約7兆円)に上った。禁錮150年の判決を受け、服役中だった。

マドフ受刑者は年率10%の利回りを着実に出すとの触れ込みの投資ファンドを運用し、口コミで国内外の投資家から資金を集めていた。もっとも運用の中身は投資家から集めた元本を取り崩しながら毎年の配当に充てるという自転車操業だった。しかし、「マドフ氏のファンドはもうかる」という噂が広がり、新規の資金が流入して運用資産残高は増えていった。

著名投資家からの投資資金はまさにネズミ講式に増えていった。ナスダックの会長や米証券業協会(NASD)の会長まで上り詰めた人物が運用するファンドなだけに、ユダヤ人コミュニティーや知り合いの口添えを通じてしか投資できないという特権階級意識も手伝ったされる。被害者には映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏、米大リーグ球団ニューヨーク・メッツのオーナー、野村ホールディングスあおぞら銀行まで米国内外の著名投資家や金融機関が名を連ねた。マドフ・ファンドへの投資家数は延べ約4万人、130カ国に上った。

しかし、リーマン・ショック後に金融機関や投資家のファンド解約が急増すると、マドフ・ファンドは解約金の支払いができなくなり、破綻。2008年12月に逮捕された。「史上最大の詐欺師」とその被害者も、金融危機の影響を受けた。

マドフ受刑者のファンド運用の違法性を早くから見抜いた会計専門家のハリー・マルコポロス氏は何度も米証券取引委員会(SEC)に告発していた。SECはそれを無視して被害が拡大したともいわれ、SECの歴史に汚点を残した。その後SECが違法行為の告発者への対応を重視するルールを導入するなど、マドフ事件は規制当局へも影響を及ぼした。

マドフ氏の逮捕後、米司法省任命の管財人が投資家の損失回収にあたり、これまでに約32億ドルが投資家に返還された。

・高利回りに不信を抱いていた人はいた
・大手監査法人が入っていなかったことに不信を抱いていた人はいた
・告発者であるマルコポロスは詐欺発覚の10年前からSECに苦情を入れていた

1992年以来、政府機関であるSEC(米国証券取引委員会)によるマドフ氏の調査が6回行われています。つまり、その頃から不審な点や苦情はあったということです。

しかし、調査スタッフの力不足により不正が暴かれることはありませんでした。

特定の人にとって「明かな詐欺」であっても、公的機関が調査に成功するまでは被害が拡大し続けるという事実を物語っています。

実は堅実性を売りにしていた

詐欺に騙されないために「高利回り」だけを気を付ければよいのかというと、決してそのようなことはありません。

マドフ氏による投資詐欺商品もヘッジファンドのなかでは堅実性を売りにしており、その利回りの低さがポンジスキームを行いやすくしていました。

私の信用分析は「人物の経歴」や「社会的立場」を重視しているため、マドフ氏の詐欺を見抜けなかった可能性はあります。

もし気付けたとしたら

・美味しすぎる話への警戒
・利益の根拠が怪しい(ポンジの可能性)

あたりが要素になると思います。

車の運転は「慣れてきた頃がもっとも危ない」と言います。

ソーシャルレンディング歴が長くなってきたからこそ、「騙されない人はいない」という前提で慎重に投資していきたいと思います。

嘘の天才 史上最大の金融詐欺 ウィザード・オブ・ライズ

「レインマン」の名匠バリー・レビンソンと名優ロバート・デ・ニーロがタッグを組み、2008年に史上最大規模の巨額詐欺事件を起こしたウォール街の実業家バーナード・マドフの実話をもとに描いた社会派サスペンス。2008年12月、証券投資会社の会長バーナード・マドフは、妻ルースと2人の息子に衝撃の告白をする。バーナードは数十年にわたって顧客たちを騙して虚偽の取引を行い続け、約650億ドルを破綻させたというのだ。FBIによってバーナードが逮捕されるとそのニュースは世界中を駆け巡り、家族は混乱の渦へと飲み込まれていく。妻ルース役に「危険な関係」のミシェル・ファイファー。スターチャンネル放送時のタイトルは「嘘の天才 史上最大の金融詐欺」。

2017年製作/132分/アメリカ
原題:The Wizard of Lies

「史上最大の金融詐欺事件」
バーナード・マドフが逮捕されて10年以上が経つ。今回この作品では史上最大の金融詐欺事件、バーナード・マドフ事件を扱う。証言するのは、被害者、従業員、家族、FBI捜査官、それにマドフ自身。さらに当時のニュース映像や貴重な写真、独占取材の録音音声などを組み合わせることによって、マドフが650億ドルもの利益を被害者から騙し取った際に使用したポンジ・スキームとはどのような方法だったのかも再現していく。

バーナード・マドフ: ウォール街の詐欺師

 

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