サラリーマンは二度死ぬ。役職定年と定年の収入激減を乗り越える3つの方法とは?=俣野成敏
サラリーマンというシステムは終焉へ向かっています。かつての勝ちパターンが通用しなくなっているだけでなく、かえってマイナスに作用している場合すらあります。「サラリーマンは二度死ぬ」とも言える状況です。つまり、55歳の役職定年と、60歳の定年(その後は再雇用)という、二度にわたってサラリーマンは給料を大幅に下げられ、“死に体”で働き続けなければならないのです。( 俣野成敏の『サラリーマンを「副業」にしよう』実践編 )
サラリーマンの給料は55歳から激減する
世の中の変化に伴い、サラリーマンの働く環境も激変しています。
かつての勝ちパターンが通用しなくなっているだけでなく、かえってマイナスに作用している場合すらあります。
今回は、サラリーマンにとっても関心の高い「お金」に関する話題を取り上げたいと思います。ご紹介するのは、こちらの記事です。
※参考:定年後の年収「60代後半の中央値180万円」の実態 | 家計・貯金 – 東洋経済オンライン(2022年9月27日配信)
最近は、年功序列が崩れつつあると言われています。とはいえ、経験や勤続年数などの違いから、通常は年齢が上がるにつれて年収も多くなっていくのが一般的です。
しかし、それも55歳までの話です。それ以降は、急激に収入が減っていくことが、記事でも紹介されている国税庁の資料からわかります。
「サラリーマンは二度死ぬ」
現在、企業には65歳までの再雇用義務や、70歳まで雇用を維持する努力義務が課されています。それと合わせるように、国では年金の支給開始年齢を後ろ倒しにする動きがあります。
役職定年を迎えたサラリーマンは、多くの場合、自分の元部下や後輩などよりも、階級的には下になります。いわば、立場が逆転した状態で働き続けなければならないわけです。
年金が後ろ倒しにされている今、この状態から逃れる術はありません。
私は、これを「サラリーマンは二度死ぬ」という例えで呼んでいます。つまり、55歳の役職定年と、60歳の定年(その後は再雇用)という、二度にわたってサラリーマンは給料を大幅に下げられ、“死に体”で働き続けなければならないのです。
“サラリーマン”というシステムは、制度疲労を起こしている
これまでは、役職定年で元部下に顎で使われるような事態になったとしても、「定年までの5年くらいなら…」と我慢できたかもしれません。
しかし、再雇用によってその期間が10年に伸びており、今後も延び続けていくことになるでしょう。
かつて、日本の高度成長期を生きた人たちにとって、高学歴で一流企業に就職することが、典型的な勝ちパターンでした。しかし現在、それが通用しなくなっているどころか、かえって辛い立場に追い込まれているのが実情です。
老後の資金不足を解消するための3つの対策案
この暗い将来を避けるためには、いったいどうすればいいのでしょうか。
考えられる対策は、主に3つです。
1. 出世をする
2. 外資系などで歩合制の仕事をする
3. 副業で不足分を補う
<対策その1:出世をする>
方法の1つとして、「役員を目指す」ことが挙げられます。一口に“役員”といっても、いろいろな職位があります。
たとえば、取締役員や執行役員など。自分がオーナー経営者なら、定年は自ら線引きする形になりますが、執行役員で雇用契約を結んでいるようなケースでは、定年が適用される場合もあるでしょう。
実際、上場企業の中には、役員に対しても定年制を導入しているところが多くあります。中小企業は、役員定年がないところが多く、中には90歳を過ぎても役員をしている方もいらっしゃいます。
もし、「出世をして右肩下がりの賃金カーブを避けたい」と考えるのであれば、ご自身の会社に役員定年があるのかなどを、確認してみるといいかもしれません。
<対策その2:外資系などで歩合制の仕事をする>
方法の2つ目は、外資系などに入って歩合制を目指すことです。
歩合制であれば、能力がある人の報酬は天井知らずですから、営業開拓に自信がある人などは、そもそも定年を心配する必要はないでしょう。
<対策その3:外資系などで歩合制の仕事をする>
方法の3つ目が、副業を始めることです。
ポイントは、自社の60歳以降の給与状態を調べておくこと。それをご自身のマネープランと照らし合わせて、足りない分をあらかじめ把握し、用意しておけば、実際に定年の年齢になった時に慌てずに済むでしょう。
老後資金の不足分を認識することで、是が非でも副業を始めるための原動力にもなるに違いありません。
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