「びまん性星細胞腫」(びまんせいせいさいぼうしゅ Diffuse astrocytoma)とは 嘉門タツオの妻・こづえさん、57歳の若さで死去

“替え歌の大御所”シンガー・ソングライター、嘉門タツオ(63)の妻で医師の鳥飼こづえ(とりかい・こづえ)さんが、9月15日にびまん性星細胞腫のため、都内の自宅で亡くなっていたことが2日、分かった。57歳。東京都出身。葬儀は親族で済ませた。

◆びまん性星細胞腫(びまんせいせいさいぼうしゅ) 脳や脊髄に存在し、神経細胞を固定し神経伝達物質の伝達の役割をする「神経膠(こう)細胞」に発生する神経膠腫の一つ。いわゆる悪性脳腫瘍の一つでもある。30~50代に多く、原因は不明。初期は軽い頭痛や時々起こるけいれん発作など。進行するとまひや視野障害、言語障害、朝に強い頭痛・嘔吐(おうと)・意識障害などが起こる。神経膠腫は手術で全て取り除くことは困難で、術後に放射線治療や抗がん剤による化学療法が必要となる。

びまん性星細胞腫は脳腫瘍の一種。8月末から自宅で緩和治療を受けていた。嘉門が可能な限り付き添い、1週間前までは食欲もあり、亡くなった当日は、嘉門が寝室の外で看護師と話をして戻ると、既に息を引き取っていたという。

都内の大学病院に勤務する眼科医だったこづえさんと嘉門は2008年11月に結婚。知的で控えめながら、芯の強さに引かれた。49歳で初婚の嘉門は「この人とならやっていける。世界が変わるというのが来た」と出会えた喜びを語っていた。だが実は、こづえさんはその6年前の02年に脳腫瘍が見つかり、摘出手術を受けていた。それは嘉門にも伝えていて、病を乗り越えてのゴールインだった。

術後も3カ月に1度はMRI検査を受けていたが、今年の春ごろに頭痛やふらつきの症状が出たため、6月に精密検査を受けたところ再発が判明。9センチあった腫瘍の摘出手術を受けた。

退院し一時は歩けるまでに回復したが、脊髄へ転移が見つかり7月に再入院。8月末からは自宅で過ごしていた。わずか14年での愛妻との別れ。嘉門は「いつかこうなることは分かってはいたんですが…」と肩を落とした。

近年は、アンチエイジング専門医として活動していたこづえさん。伝えたい言葉を詞にして嘉門に曲をつけてもらい、自ら歌う動画を昨年8月に撮っていた。嘉門は「生前に妻が知ってほしかったことを皆さんにお伝えしたい」との思いから、この「夫婦合作」を自らのYouTubeチャンネルで近く配信する予定という。

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