100歳まで生きる時代 老後資金は3つのステージで準備する

老後資金をどう準備するか――。現役世代の誰もが頭を悩ます。

東京都在住の会社員、宇野裕二氏(54)の老後難民にならないための備えは傾聴に値する。

宇野氏が、老後資金の準備を本格的に始めたのは、2人の子供たちが大学を卒業した40代半ばを過ぎてからだ。

「人生100年といわれています。自分が長生きするかどうかはわかりませんが、長寿社会に合わせて、資金準備を始めました。その際に、60歳定年後も考慮し、お金に関する人生ステージを3つに分けたのです」


第1ステージは60歳まで。お金を貯め、資産をつくっていくステージだという。

「退職金を含め、定年まで得られる収入の一部を貯蓄し、株式や投資信託などで運用して資産を増やしていく期間です」

定年までの現役時代は、とにかく貯めて、増やす。これが第1ステージの最大の目的。株式や投信などは、あくまで長期投資が主眼で短期売買はしない。株式でいえば、資産株といわれる大手企業銘柄などを買っているという。


第2ステージは60歳から75歳までだ。

「定年後も継続雇用があるでしょうから、まだ働きます。ただし、収入は現役時代に比べて大幅に減る。年金支給開始年齢も引き上げられているかもしれません。できるだけ長く働くつもりですが、状況に応じて、資産運用しつつ、預貯金を取り崩すことになります。年金も受け取れる年齢になったらもらう予定です」

第2ステージは、いわば、資産運用をしながら、お金を使うという。


第3ステージは75歳から余命尽きるまで。主に、お金を使う期間だ。

「75歳時点で、いくら蓄えが残っているかわかりません。ただ、少なくとも、生活資金は年金だけで賄えるようにするつもりです。突発的な支出は、資産を取り崩すことになるでしょう。現時点では、金融資産は、多めに残しておくとしかいいようがないですね」

定年後のお金に関する人生ステージ分け手法は、間違っていない。長寿社会に合わせ、わが家の金融資産も長寿命化させる必要があるからだ。

これを参考に、老後資金準備をしたい。

(経済ジャーナリスト・山下知志)


 

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