障害年金
障害年金をもらうために
- 障害年金とは
- 障害年金は働きながら受け取れる?条件や申請方法を解説!
- 障害年金は基準を満たしてないと受け取れない
- 障害年金の更新手続き
【障害年金とは】厚生年金保険、国民年金、共済年金すべての方を対象に支給される年金のひとつです。
交通事故で障害者になった人や生まれつき知的障害(精神遅滞)があるような人ばかりでなく、様々な病気やケガが障害年金の対象になります。
障害年金の対象となる傷病名(一部)紹介
https://www.syougainenkin-shien.com/i…
【障害年金の種類】
障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金に分かれており、遺族年金や老齢年金と同様に加入している年金制度によって、受け取れる年金の種類が決まります。
【障害年金をもらうための条件】
・「初診日」を証明出来ること
・障害の原因となった傷病の初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること
・保険料納付要件の原則は加入期間の3分の2以上納めていること
・障害認定日に障害状態であること
NPO法人 障害年金支援ネットワーク
https://www.syougainenkin-shien.com/
「障害年金」は働きながら受け取れる?条件や申請方法を解説!
日本の年金制度の1つに、「障害年金」があります。しかし、障害年金の内容がよく分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、障害年金について分かりやすく簡潔に説明しています。本記事を読むことで、障害年金の概要が理解できるようになるでしょう。
そもそも障害年金とは?
障害年金とは、けがや病気で生活に支障をきたす人が受給できる年金です。障害年金は制度の理解不足から、申請漏れも多いとされています。
日常生活や仕事に支障があれば、障害年金を請求する権利があります。なお、障害年金の対象者は「国民年金・厚生年金・共済年金の加入者」となっているので覚えておきましょう。
障害年金は働きながらでも受け取れる
障害年金は働きながらでも受け取ることが可能です。身体の障害だけでなく、うつ病や統合失調症といった精神疾患も対象となります。
なお、障害者手帳を持っていなくても障害年金を受け取れます。
障害年金の種類3つと受給要件を解説
障害年金の種類は下記の3つです。
障害基礎年金
障害厚生年金
障害手当金
ここからは、障害年金の種類・受給要件を簡潔に解説していきます。
1. 障害基礎年金
障害基礎年金は、国民年金加入者が支給対象の障害年金です。日本の制度において20歳~60歳未満の人は、必ず国民年金に加入しなければならないため、基本的には全国民が障害年金を請求できる権利を持っています。
障害基礎年金の受給要件
【図表1】
障害基礎年金の受給要件
次の1から3のすべての要件を満たしているときは、障害基礎年金が支給されます。
1.障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
・国民年金加入期間
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間
2.障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
3.初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。
出典:日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
2. 障害厚生年金
障害厚生年金は、厚生年金加入者が支給対象の障害年金です。厚生年金は会社員や公務員が加入する年金であるため、障害厚生年金を受け取れるのは会社員や公務員のみとなります。
障害厚生年金は、障害基礎年金を上乗せした金額が支給されます。ただし、障害の程度が3級程度だと支給されるのは障害厚生年金のみです。
障害厚生年金の受給要件
【図表2】
障害厚生年金の受給要件
次の1~3のすべての要件を満たしているときは障害厚生年金が支給されます。
1.厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること。
2.障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること。ただし、障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取ることができる場合があります。
3.初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
出典:日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
3. 障害手当金
障害手当金とは、障害の程度が3級に満たない厚生年金の加入者が受け取れる障害年金です。初診日時点で厚生年金に加入している必要があるため、初診日に厚生年金に加入していない場合は支給対象外です。
障害手当金の受給要件
【図表3】
1.厚生年金の加入中に初診日がある(障害の原因となったけがや病気)
2.初診日から5年以内に治っている
3.治った日に障害厚生年金の3級よりも軽い状態になっている
4.障害基礎年金の保険料の納付要件を満たしている
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
出典:日本年金機構 障害年金
障害年金は基準を満たしてないと受け取れない
障害年金の区分は1~3級と定められており(※3級は障害厚生年金のみ)、基準を満たしていないと障害年金は受け取れません。
障害の程度は「国民年金法施行令」と「厚生年金保険法施行令」で明確に定められています。分かりやすく表にすると、下記のようになります。
【図表4】
等級 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
状態 | 日常生活において、常に援助が必要 | 日常生活において、援助が必要な時もある | 日常生活は1人で大抵のことができる |
※筆者作成
障害年金の審査で重要なのは「医師の診断書」
障害年金の審査で最も重要なのは「医師の診断書」といっても過言ではありません。障害年金の認定は書類審査だけで決まり、障害の程度の把握において、医師の診断書は重要な参考資料です。
医師が普段の生活をきちんと把握していないと、間違ったことを書かれる恐れも十分に有り得ます。自分の特徴や状態、日常生活にどんな支障があるかを、医師に話しておくことが大切です。
障害年金はどうやって申し込む?
【図表5】
出典:政府広報オンライン 障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患の方も対象です
障害年金は本人または代理人が申請の手続きを行う必要があります。また、提出先は所轄の市区町村役場の窓口です(※初診日が“国民年金第3号被保険者期間中”の場合は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターに提出となります)。
障害年金の手続きは複雑なので事前に相談するのがおすすめ
障害年金の手続きは複雑なので、まずは日本年金機構の「ねんきんダイヤル」に問い合わせるか、近くの年金事務所または年金相談センターに相談してみましょう。
障害年金を受け取れるか気になる人は1度相談してみよう
本記事では、障害年金について分かりやすく簡潔に説明しました。障害年金は多くの人が受給する権利を持っていますが、申請すらしていない人も少なくありません。
障害年金の仕組みや申請方法は複雑でややこしいです。自分が受給対象者か気になる方は、1度相談してみることをおすすめします。
出典
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 全国の相談・手続き窓口
政府広報オンライン 障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患の方も対象です
障害年金の更新っていつ? どのようにするの?
今回は障害年金の更新手続きについて、そう言えばまとまった事を書いていなかったな、と思い、書いてみようと思います。
いつ更新するか? は年金証書に書いてある
まず、障害年金は1度申請すればずっと永久に受給できる、という訳ではありません。
中にはその方の症状等を考慮し、「永久認定」されて、以後更新不要の方もいらっしゃいます。しかし、通常は何年かに1度更新手続きを行うことになります。
障害年金申請のお手伝いをして年金証書が届いた方には、文書でお伝えしていることではありますが、年金証書の右下の方に「次回診断書提出年月」という欄があります。
そちらには例えば「令和5年4月」などと書かれておりますが、その月に障害年金の更新手続きをすることになります。
具体的な更新手順
具体的には、
① 「次回診断書提出年月」の前月末頃、更新用の診断書が年金機構から郵送されてきます。
② そちらの診断書は、あくまでも「提出年月」の状態を書いてもらうものです。(上記の例でいえば、令和5年4月の状態ですね。)
③ そのため、主治医先生のところで「提出年月」に受診し、「提出年月の状態」を診断書に記入してもらいます。
④ 診断書が出来上がりましたら、それを障害基礎年金の場合は「市区町村役場」へ、障害厚生年金の場合は「日本年金機構」へ、提出します。(郵送でOK です。)
という流れになります。
初回の年金申請と違い、用意する書類は「送られてきた診断書のみ」ですので、手続き自体は難しいものではありません。
更新はどれくらいの頻度であるか?
じゃあ、障害年金の更新はどれくらいの頻度であるのか? ですが、1年~5年に1度となっています。あんまりにも頻度に差がありますけど・・・。その差は、「症状が安定しているか? 否か? 病気の性質は?」などを考慮して決められます。
年金証書には「次回は3年後」と書かれていても、その次はいつか? は、更新時に決められますので、「ずっと3年ごとに更新する」というものではありません。
症状が変動しやすい場合や難病等で「障害の程度の認定が難しいもの」の場合などは、更新はまめになりやすいと思います。
症状が安定している、または症状の改善が現在の医学では望みにくいもの、例えば「脳梗塞後遺症」「腎不全」などは、更新頻度は下がりやすいです。(最長の、5年後の更新も多いです。)
更新用診断書の内容は違うの?
更新用の診断書の記載事項は、「障害年金の申請」で使用したものと基本的には変わりません。発病後の経緯を書く欄が、直近の経過を書くようになる位で、大きくは変わりません。
基本的には、障害年金申請時に書いていただいた先生に書いていただければ、その方がいいと思います。
とはいえ、医療機関では主治医先生が変わる事も多いですし、転院されることもあるでしょう。そのような場合は、少なくとも、「前回書いてもらった診断書のコピー」を主治医先生に参考資料として渡して書いてもらった方がいいと思います。おそらく、前回の診断書のコピーを渡されて嫌がるお医者さんは少ないと思いますし・・・。それはぜひ行ってください。
働き始めた場合は?
前回申請後に症状が改善し、働き始めた場合などは、職場でご病気により配慮されている事などがあれば、積極的に主治医先生に伝えた方がいいでしょう。
他の正社員の方と全く同じ待遇、職責でバリバリ働けているというのでしたら、何もお伝えすることはないでしょうけれど、ご病気を抱えながら働いていて、例えば他の社員よりも休憩時間が多いとか、有給休暇を取りやすい、担当の相談員がいて、いつでも相談できる、などの配慮がされていれば、そういったことは主治医先生にお伝えしましょう。