May. 23, 2022, 11:00 AM サイエンスサル痘の症状について知っておくべきこと…北米とヨーロッパで異常な感染拡大

CDCによるサル痘ウイルスの顕微鏡画像。

CDCによるサル痘ウイルスの顕微鏡画像。

Russell Regnery/CDC/Handout via REUTERS

  • サル痘は2022年5月、オーストラリア、ヨーロッパ、北アメリカの12カ国で検出された。
  • この病気は発疹と発熱から始まり、膿で満たされた腫れものができる場合がある。
  • この病気のもととなるウイルスは天然痘ウイルスと密接に関連しており、天然痘ワクチンで対抗することができるという。

2022年5月、少なくともヨーロッパと北米の12カ国で「サル痘」患者の異常な増加が報告されている。専門家はその拡大状況を緊急に調査している。

サル痘ウイルスは、膿を持った腫れ物を引き起こし、痛みと感染力が数週間続く。ベッドのシーツや床の表面に付着したウイルスに触れて感染する場合もあるという。

これらの新しい症例が関連すると思われる(西アフリカ系統の)サル痘ウイルスは、致死率が約1%だ

サル痘の症状は、発熱、背中の痛み、発疹など

通常、サル痘の症状は2週間から4週間続く。感染してから症状が出るまで、5日から21日かかることもある。

最初の自覚症状は発疹でないことが多い。初期症状としては、発熱、頭痛、筋肉痛、背中の痛み、リンパ節の腫れ、悪寒、疲労感などがある。

発疹は発熱後1日から3日で発症し、顔から始まって全身に広がる。発疹は平らで赤いぶつぶつから始まり、丸い水疱に変化し、膿で満たされる。これらの腫れものは、最終的にかさぶたになって剥がれ落ちる。

現在、サル痘の標準的な治療法はないが、天然痘ワクチンは約85%の効果があるという。いくつかの実験的治療法もある。

サル痘にかかった人の病変に覆われた両手。コンゴ民主共和国で。

サル痘にかかった人の病変に覆われた両手。コンゴ民主共和国で。

CDC/ Brian W.J. Mahy, BSc, MA, PhD, ScD, DSc

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なぜサル痘がこれほど急速に広まっているのか

今回の感染拡大でこれまでに確認された症例の多くは、ゲイ、バイセクシャル、あるいは男性とセックスする男性であると自認する男性だ。しかし、だからといってサル痘がゲイの病気だというわけではない。むしろ、この病気が広がっているのは、その人の性的指向よりも、これらの痘痕が体のどこにあるかということと関係があるのかもしれないという。

一般に、サル痘の発疹は顔、手のひら、足の裏に出ることが多い。しかし、スウェーデンの保健当局は5月19日に、「ヨーロッパの症例では、皮膚の病変はしばしば生殖器、股間、肛門の周りの皮膚に局在することが報告されている」と発表した。

サル痘にかかったときにできる膿やかさぶたには強い感染力があることは、医療専門家の間ではよく知られている。手でも足でも股間でも、誰かが触れば簡単に感染してしまう。

サル痘や天然痘などのポックスウイルスの専門家であるアメリカ疾病予防対策センター(CDC)のアンドレア・マッコラム(Andrea McCollum)はInsiderに、「病変には大量のウイルスが詰まっており、そのウイルスは極めて安定している。ウイルスは二本鎖DNAウイルスで、本当に丈夫だ」と語っている。

「病変は、かさぶたの段階を含め、分離して新しい皮膚の層ができるまで、すべての段階で感染力がある」

幸いなことに、消毒薬で病変の表面をきれいにすることができるし、衣服やベッドシーツも消毒することができる。また、かさぶたが剥がれるのを待つ間、他の人が触れないように、シーツやガウン、衣服などで覆うことは、ウイルスを封じ込めるためのよい方法だという。

[原文:What to know about monkeypox symptoms as the virus spreads in an unusual way across the US and Europe

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