#47 今日から役立つ 人生を豊かにする日経の読み方

#47 今日から役立つ 人生を豊かにする日経の読み方

チャートは語る   中国「エネ消費」再起動   原油、年後半100ドル観測  世界のインフレ左右   中国とその他の需要  北米、ロシアとその他の供給 を見ながら、OPECがWTI価格を下げないように産出量を決めている感じ

電池工場へ投資(経産省) 電池工場への投資3割支援 経産省、5年間の継続生産条件 → 太陽光発電で日本が世界一になった前後くらいに、やらなければならなかった政策、最低でも、2011.3.11で原子力が再考されたときに実施されるべき政策だと思う。

米企業、減益基調が鮮明 →個人消費の動向 インフレで個人が買わなくなる「売上高がコストを上回るスピードで減速し、利益の減少につながっている」といって、コスト削減をすればいいものでもないと思う。

戻らぬ働き手1000万人 コロナ前比、求人とミスマッチ 労働移動が成長左右 → 英国、米国は、下がっているが、日本は、横ばいに見える。どうしてだろう。

メタバースは、いずこへ コラムニスト ジェマイマ・ケリー → メタバースの写真でゴーグルをして、手に何かをもって、操作しているのは、傍からみていると、おかしな感じがしているが、これは、スマホで出てきた当初は、そんなものばかり、触ってといっているようなものなのだろうか。

事業承継M&A弁護士 → バンカー不在でも、先週の日系で「m&aキャピタルパートナーズ」の40歳年収が日本でトップになっていたが、弁護士も儲かるところに流れるのか。

TOP RISK 2023 https://www.eurasiagroup.net/services/japan

米中間の緊張が高まっても、短期的には武力衝突に至ることはないだろう。「Top Risks2023」では、「台湾危機」を今年の「リスクもどき」の一つに挙げている。日本企業は中国による台湾侵攻が迫っているのではないかと危惧する。だが彼らがなすべきは、冷静に問題を考察し、中国による台湾へのサイバー攻撃、封鎖、船舶への嫌がらせなど、起こる可能性が高い事態を想定した計画を立てることだ。もう一つの「リスクもどき」「技術をめぐる米中報復合戦」だ。米中間の競争により、互いの技術産業を阻害するための措置が急激にエスカレートすることはなさそうだ。しかし日本の企業(および政府)は、米国が国家安全保障の名の下に、最近の先端半導体への輸出規制に加えて、さらに強硬な対中政策をとることも覚悟しなければならないだろう。

トヨタ・ホンダの「満額回答」 → 賃上げできるのは、大企業ばかりなり。それで、日本の世界での競争力はあがるのだろうか

2023.2.24 ウクライナへの侵攻から1年「西側の戦争責任」は間違い → ミンスク合意から間違っていたここで、クリミアをロシアに与えたので、ウクライナも取れるとロシアに思わせてしまった。   ミンスク合意は、ウクライナ東部で2014年に勃発した紛争をめぐる停戦合意。紛争は、2014年春、ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を併合し、その後親ロシア派武装勢力がウクライナ東部の一部地域を占拠して始まった。ここで親ロシア派勢力に支配されたのが、ドネツク、ルガンスクの2州にあたる。停戦をめぐっては、2014年9月に一度合意されたものの、その後破棄される。2015年2月、ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国による首脳会談で停戦に合意。ウクライナの隣国ベラルーシの首都ミンスクで実施され、「ミンスク合意」と呼ばれる停戦協定に署名した。

ジョン・ジョゼフ・ミアシャイマー(John Joseph Mearsheimer、1947年12月4日 – )
• アメリカの政治学者、国際関係学者、空軍軍人、シカゴ大学政治学部教授。
• 国家が他国に対してパワーの拡大を試みる行為主体と想定して安全保障を研究する攻撃的現実主義(オフェンシブ・リアリズム)の代表的論者。
来歴
• ニューヨーク・ブルックリン生まれ
• 1970年陸軍士官学校卒業後、将校として空軍に5年間在籍
• 1974年、南カリフォルニア大学国際関係論修士
• 1981年コーネル大学Ph.D.

「ソ連崩壊後、独立したばかりのウクライナは、自国内に大量の核兵器を保有していた。しかし、1994年、ウクライナは核兵器を放棄し、核不拡散条約に加盟することに同意し、2年以内にすべての核兵器を撤去した。核抑止力を持たないウクライナはロシアの侵略を受ける可能性が高いと、ミアシャイマーはほぼ一人で反対した[64]。1993年には早くも、クライナは抑止力として核兵器を保持すべきであると提言している。」(ウイッキペディアより)

遠隔犯罪 「キム」、綿密な遠隔指示か  →  セルゲイ・ゲンナジエヴィチ・ネチャーエフ → 1872年8月14日チューリヒで逮捕され、ロシア警察に身柄を引き渡された。1873年1月8日にイワノフ殺害の罪で懲役20年の判決を下された。ペトロパヴロフスク要塞のアレクセイ半月堡に収監されたネチャーエフは看守を説得し、1880年12月に「人民の意志」派との接触に成功した。さらに脱獄が計画されたが、ネチャーエフの希望で1881年同派によるアレクサンドル2世暗殺が優先され中断された。この暗殺は成功を収め、革命運動に対する弾圧は強化された。

小天体でアミノ酸生成(はやぶさ2試料分析) 「地球外生命」 生命の元のアミノ酸が地球で生成されたものではなく、小天体で生成されていたものならば、地球外生命はあるのだろうね。


戦争、原子力、エネルギー問題、これは世界人口が増えすぎているために起こっている問題だと思われる。これからは、「産めよ増やせよ」では無いと思う。持続可能な世界を目指すと言っているが、人間の持続を考えに偏った考えであって、地球全体を考えていない。微生物、植物、動物のことすら考えているものではないと思われる。こんなことをしているよりも、日本は、少ない人口でも成り立つ国家を目指さなければならないと改めて感じた一週間であった。しょぼい子ども手当てで紛糾してないで、もっと先を国会では、話し合ってほしい。


誰もがいつかは仮想空間「メタバース」でバーチャルな至福の人生を送るようになる。そして現実の平凡な人生と様々な身体的な欲求、そしてぱっとしない友人や家族を捨てていく。そんな時代がくると予想されていたことを覚えておいでだろうか。

自己改善を追求し続けなければいけないリアルの世界から離れ、完璧なアバター(分身)として存在できるようになる時がくるとはやしたてられていた。そして「フェイスブック第一ではなくメタバース第一」になるため、米フェイスブックはメタに社名を変更した。

米プロフットボールNFLの王座決定戦「スーパーボウル」の最中に、メタがディストピア(反理想郷)にしかみえないようなテレビCMを流したのはちょうど1年前だった。

同社の仮想現実(VR)ヘッドセットのCMでは、離れ離れになっていた友人のグループがバーチャルな世界で再会を果たした(リアルな世界では、友人たちは独りぼっちで仲間がいなかった)。

メタの「メタクエスト」(写真のヘッドセット)を作る事業部門は多額の営業損失を計上した=ロイター

ところが、あのCM以来、メタバースという考えに対する興奮は冷めてしまった。インターネット上での検索頻度を調べるグーグルトレンドに「メタバース」と打ち込むと、この言葉の検索件数が過去1年ほどで約80%減少したことが分かる。

最近では、莫大な資金を調達したければ、さりげなく「生成AI」という言葉を使った方が得策だ。文章や画像、その他のデータを「生み出す」ことができる人工知能(AI)のことで、このセクターに対するベンチャーキャピタル投資は2020年から22年にかけて425%急増している。

メタの株主がメタバースへの関心を失っていることから、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は最近、メタバースは「我々の事業の大部分ではない」と発言することを余儀なくされた。

同氏は最近では、メタバースより経営効率について語ることが多い。それには、もっともな理由がある。「メタクエスト」のヘッドセットを作っている事業部門リアリティーラボが昨年、137億ドル(約1兆8000億円)の営業損失を計上したからだ。

メタバース事業に取り組むために欧州連合(EU)域内で1万人採用する壮大な計画についても、メタは黙り込んでいる。

計画は遂行される予定なのか、もう採用された人がいるのかどうか筆者がメタに問い合わせたところ、「欧州での事業拡大は常に、何年も先を見越した長期的なものだった。我々は今も欧州にコミットしている」との答えが返ってきた。

一方、米マイクロソフトは組織の立ち上げからわずか4カ月で「インダストリアル・メタバース・チーム」を解散し、スタッフを100人解雇した。

一体どこでつまずいたのだろうか。

メタバースには大きな問題がいくつかある。1つ目は、メタバースの定義について誰も合意できていないように思えることだ。新しい幻想的な未来のリーダーとして自身を打ち出している人でさえ、共通の定義を定められないようだ。

ザッカーバーグ氏のような人は、メタバースは基本的にVR世界で、バーチャルな役員室でアバターを通じてビデオ会議をすることが魅力などと考えているようだ。

一方で、万能な分散型データベースの「ブロックチェーン」によって何らかの形で支えられ、非代替性トークン(NFT)を使って取引するインターネットを思い描く人もいる(この説明はまた別の夢想である「ウェブ3」の定義だと筆者は思っていた)。

この問題を、最大10億ドルのメタバース投資ファンドを立ち上げようとしている香港のアニモカ・ブランズのロビー・ユンCEOにぶつけてみた(当初は最大20億ドルのはずだったが、「市場環境」のために縮小された)。そして筆者はメタバースの定義がわかりにくいのではないかと聞いてみた。

「それは考え方が間違っているからだ」と同氏は答えた。「メタバースについて考える時には、インターネットと同じように考える必要がある。これは何か一つのものではない。すべてだ」

正直に言って、この答えでは筆者の疑問は解消されなかった。ユン氏が「インターネットにブロックチェーンを加える」だけだと言っているように筆者には思えた。

なので、彼がいう「すべて」はウェブ3と一体どこが違うのかと質問した。すると少しためらった後、「私の考えでは、違いは何もないと思う」という答えが返ってきた。

インターネットを研究している米ジョージ・ワシントン大学のデビッド・カープ教授は、ザッカーバーグ氏が考えるメタバース(つまりブロックチェーンよりは、むしろVRと拡張現実=AR=の組み合わせを使って没入型の3次元インターネットを作ること)の方が共通認識に近いが、それでもまだ漠然とした概念だと話してくれた。

しかもこの概念は目新しいものではないという。過去20~30年間で、このようなメタバースを作ろうとする試みは何度もあった。

ここでメタバースの最も深刻な問題が浮かび上がる。どうやら求めている人がいないようにみえることだ。カープ氏自身、1500ドル払ってVRヘッドセット「メタクエストプロ」を買ったが、3回しか使っていない。

「これを私は『フィールド・オブ・ドリームスの誤謬(ごびゅう)』と呼んでいる。(同名の米映画で主人公がつくる野球場のように)仮想世界をつくったら人は自然に来ると想定している」と同氏は説明する。

さらに「現時点では、これまで得てきた結果を検証しなければならない。最大の問題は、ハードウエアがどれほど良くなっても、人は基本的に仮想世界を求めていないことだ」

これは何も、技術の進歩に伴いネット体験が一層没入できるものへと発展していく可能性を否定するわけではない。だが、そうした没入型体験は徐々に、複雑な過程を経て生まれる。突然作られた、ブロックチェーンで動く仮想世界に皆が一様に踏み込むわけではない。

メタバースは本当の意味では始まってもいない。と同時に、すでに終わってしまっていたのだ。

(16日付)


「西側に戦争責任」は誤り ミアシャイマー教授は問題

国際政治学者が有名になることはあまりないが、米シカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマー氏は、ロシアがウクライナを侵攻したことで一躍、有名になった。同氏の「ウクライナがなぜ西側諸国の失敗なのか」と題した2015年の講演の録画は動画サイト「ユーチューブ」に上がっているが、実に2800万回以上も視聴されている。

イラスト James Ferguson/Financial Times

ミアシャイマー氏はこの講演でも、それ以降の論文や講演でも、ウクライナ戦争を引き起こしたのはロシアが自国の存続にかかわる脅威だとみなすような政策を西側が推進してきたからだと主張してきた。

特に米国がウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を約束したのは愚行だったと何度も指摘している。ウクライナのNATO加盟をロシアは決して許さないし、加盟させたら「ウクライナを国家の体をなさないまでに破壊するだろう」とまで予測した。そのため昨年2月、ロシアがウクライナを侵攻したことで、まるで予言者かのようにみられている。

「ウクライナに核兵器を放棄すべきでない」と助言した学者

ミアシャイマー氏は米国や欧州連合(EU)の高官にはロシアのプーチン大統領の擁護者とみられがちだが、ロシアや中国の政府内でより人気がある。

リベラル派の知識人はミアシャイマー氏が世界の独裁者らと親しくしているのは問題だと非難する。同氏の論文はロシア外務省のツイートで何度か引用されているし、22年11月には「非自由民主主義」の代表、つまり独裁主義で知られるハンガリーのオルバン首相とも会談した。

しかし、同氏はこうした批判を気にするどころか楽しんでいるようだ。事実、自身のウェブサイトには、目的のためには手段を選ばない考え方で知られた政治思想家マキャベリにふんした自画像まで載せている。

ただ、ミアシャイマー氏を単純にロシアの擁護者とみるのは間違いだ。同氏は1993年、ウクライナに「保有する核兵器がロシアによるウクライナ侵攻をとどまらせる唯一の武器となる」として核兵器保有を放棄すべきではないと助言した数少ない学者の一人だからだ。多くのウクライナ人は今、その指摘に同意するだろう。

「すべての大国は同じ行動をとる」は違う

もっともな批判もある。その一つは同氏の国際関係理論が道徳観や歴史を無視しており、各国の運命は様々な条件や環境で既定されており変えられない、としている点だ。米ボストンカレッジの政治学教授ジョナサン・カシュナー氏は近著「書かれていない未来」(邦訳未刊)で、ミアシャイマー氏の「すべての大国は自国の安全保障への脅威をなくそうと周辺地域を支配しようとするものだ」とする「攻撃的現実主義」の理論への反論を展開している。

カシュナー氏は、もしミアシャイマー氏の理論のようにすべての大国が全く同じ行動をとるならば、ワイマール時代のドイツとナチス政権下のドイツを区別することもできなくなると指摘する。だが各国の体制やその指導者の性格は、その国がどう動くかに重要な影響を及ぼす。

ヒトラーのドイツもスターリンのロシアも、メルケル氏やゴルバチョフ氏がそのとき率いていたら全く違ったはずだ。

カシュナー氏に加えて筆者が指摘したいのは、ミアシャイマー氏は自らの理論を世界の現実を冷徹に描写しているとするが、往々にして事実を歪曲(わいきょく)している点だ。

同氏はウクライナ戦争の責任は米国にあると主張するが、その見方では道徳と法の両方の基本原則を無視することになる。殺人や多くの人命を奪う侵攻の罪を問われるのは、それを実行またはその命令を下した者だ。

よりひどい事態に至るのを回避するために起こす「予防戦争」は容認されることがあるが、それは敵対する国が攻撃してくる態勢にある場合に限られる。

ウクライナは明らかにそんな状況にはなかった。ミアシャイマー氏はこの点をあいまいにしているため、本人としてはプーチン氏の侵攻を擁護するつもりはないのかもしれないが事実上、プーチン氏の侵攻の擁護者となっている。

自らの理論に合わない事実は受け入れない

だが、だからといって彼の理論がロシアのみならず中国の行動を分析するうえで強力な分析ツールとなり得ることを否定するわけではない。ミアシャイマー氏は既に2001年に、中国をリベラルな世界秩序に取り込もうとする西側の取り組みは失敗に終わるし、中国政府は絶対に周辺地域も支配しようとするため、米国と戦争になる可能性も高くなると指摘していた。

こうした指摘も、まるで今日を見通していたかのようだ。だが同氏の研究を深く読むと、自分の理論にほれ込むあまり、それにそぐわない事実があると、その部分は受け入れないという学者の特徴が垣間見える。

例えば自身を有名にした15年の講演では、ロシアが「ウクライナを征服」しようとすることはないと全面的に否定し、「プーチン氏はそうするには賢明すぎる」とした。そうではなく、ウクライナの国家としての信用を西側と同盟関係を築けないくらいまで破壊することを目標とし続けるだろうと主張した。

そして、いまだにロシアにウクライナを征服する意図はなかったと主張している。これは22年2月にロシア軍の戦車が列をなしてウクライナの首都キーウへ向かった事実とあまりに矛盾する。

「プーチン氏は噓をついたことはない」との発言も

ミアシャイマー氏はプーチン氏が21年7月に発表した論文でウクライナを独立国として認めるとしたのは本当にそう考えていたからだと今も主張する。加えて22年6月の講演では「プーチン氏は過去に他の指導者に噓をついたことはない」とまで主張した。

14年のウクライナ東部でのマレーシア航空機「MH17」撃墜事件にロシアは関係していないとか、20年の反体制派指導者ナワリヌイ氏毒殺未遂事件もロシア政府は関与していないなどとプーチン氏に言われてきた各国の指導者にとって、この発言は驚きだろう。

これら残虐な行為を噓で隠すやり方は単なる事実にとどまらない。プーチン氏のロシアについて、重要な点を浮き彫りにしている。つまり、国内向けの体制と国外で起こす行動を切り離すのは不可能ということだ。北朝鮮も同じだ。

すべての大国は全く同じ行動をするというミアシャイマー氏の主張は、彼の人生をみても間違っているとわかる。同氏は西側では非主流派の学者だが、それでも米国では尊敬される著名な知識人だ。だがロシアや中国のような独裁主義国家では、主流派に属さない学者は職を失うか国外に逃亡するか、場合によってはさらにひどい事態に陥りかねないからだ。

By Gideon Rachman

(2023年2月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2023. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

 


 

はやぶさ2試料、小天体でアミノ酸合成 地球にも供給か

九州大学や広島大学などの研究チームは探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料(サンプル)を分析し、宇宙にただよう小天体でアミノ酸を含む様々な有機物が作られている痕跡をみつけた。これらが隕石(いんせき)などを介して初期の地球などに運ばれ、生命の誕生に役立った可能性があるという。

研究成果を米科学誌「サイエンス」に24日発表した。

研究チームはサンプルに含まれている有機物を網羅的に調べた。これまでの解析でアラニングリシンといった23種類のアミノ酸を含むことは分かっていたが、有機物全体では約2万種の分子があった。

有機物を詳しく調べると、固体の大きな分子が多くを占めていた。鉱物と混じりあうなど様々な状態で存在していた。広島大学の薮田ひかる教授「有機物が水や鉱物と反応していた証拠だ」と話しており、化学反応が盛んに起きていたとみられる。

隕石の解析から小惑星などで化学反応が進んでいることは知られていた。真空や高熱など過酷な環境にさらされるりゅうぐう表面の試料の中にも多くの有機物が残っていたことから、九州大学の奈良岡浩教授は「小惑星の表面から有機物が宇宙のどこにでも運ばれる可能性があることを示せた」という。

アミノ酸の解析では、生命の謎との関係が注目されていた。アミノ酸の構造には「左手型」「右手型」があるが、生体では「左手型」がほとんどを占めており、宇宙から供給されている影響が指摘されていた。今回のサンプルには左手型と右手型が同じ量あった。奈良岡教授は「宇宙で作られた段階で偏っていた可能性が否定されたわけではなく、りゅうぐうとは別の天体を調べる必要がある」と話す。

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